Aちゃんが解説!14億人が待ち焦がれる「春節」とは

2024-01-30 12:24:06  CRI

 今年も春節が近づいてきました!春節といえば、中国では老若男女、誰もがわくわくする祝日!でも、具体的にはどんな日なのか、ご存じでしょうか?

 春節は、一言でいえば「旧暦のお正月」です。中国では1月1日の元旦ではなく、旧暦の正月を「新年の幕開け」として祝います。今回は、そんな春節と、旧暦の大みそかに欠かせない年越し番組、春節グルメなどについてご紹介します。

 ❶節の由来と家族・同窓生再会の場~今年は2月10日から8連休、家族が待つふるさとへ~

 春節の起源は、今から4000年前にさかのぼります。古代中国の人々は、自然を崇拝し豊作を祈って、年末年始に先祖や神々を祭る行事を行っていました。それが長い歳月を経て変化し、今の形になったのですが、その過程ではさまざまな春節の風習が生まれました。

 例えば、大みそかの夜に一家団らんで食べる食事「年夜飯」。新年を迎えるにあたって、家の入り口や窓に貼られる「春聯」や「年画」「切り絵」といった飾り。厄除けあるいは神を迎えるという意味を込めて鳴らされる爆竹や花火(近年は環境保護や安全の観点から、特に都市部では禁止されていますが、節度が守られるように条件付きで解禁する地域も出てきています)などなど。

 このように中国文化が目いっぱい味わえる春節は、中国だけでなくシンガポールやマレーシアなどを含む中華圏でも最も重要な祝日とされています。世界人口の5分の1がこの日を盛大に祝うことだから、国連総会でも2023年12月22日に、春節(旧正月)を国連の祝日に指定する決議が全会一致で採択されました。

 春節前後には、世界一の民族大移動の光景が見られます。中国では、故郷に帰って一家団らんで年越しをするのが当たり前で、もしも「仕事が忙しくて春節は帰れない」なんて言ったら、心配されてしまいます。帰省の時期ということで、同窓会も多く開かれますし、長い連休を利用して旅行に行く人も多く、春節は大きな経済効果を生み出します。特に今年の春節は、景気回復への貢献が期待されています。

 ❷大晦日の大型年越し番組「春晩(春節の夕べ)」~世界一視聴者の多いTV番組!~

 春節といえば、中国人なら誰もが楽しみにしているテレビ番組があります。それが、毎年大みそかに放送される年越し番組「春節聯歓晚会」(略して「春晩」または「春節の夕べ」)です。

 この番組は、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)傘下・CCTVの恒例の特番で、大みそかの夜8時から深夜1時まで生放送されます。初回の放送は1983年で、今年で41年目になります。トップスターがそろって出演するほか、歌や踊り、地方戯曲、コント、中国式漫才、アクロバット、マジックショーなど、あらゆる層を意識した演目で構成されるのが特徴です。近年は、ゲームやネットドラマといったコンテンツに負けないよう、最新技術を使った演出や、若者に人気の芸能人の出演などなど、年を追うごとに豪華な内容になっています。

 テレビだけでなく、ネット放送やSNSでのライブ配信もあり、去年は68種類の外国語SNSプラットフォームを通じて米国、カナダ、フランス、ロシア、日本、ブラジル、オーストラリア、インド、南アフリカなど173の国や地域の1000以上のメディアが同時に生中継、または報道を行い、累計162億1600万人が視聴しました。世界一視聴者の多いテレビ番組になりました。

 そんな「春晩」の今年の「見どころ」は、北京のメインスタジオと4つのサブ会場との中継!サブ会場が設置されるのは、「遼寧省瀋陽市」「湖南省長沙市」「陝西省西安市」、そして「新疆ウイグル自治区・カシュガル市」です。これら4都市からの生中継を通して、中国各地の多彩な文化が一気に楽しめます。

 ❸大晦日の水餃子~年越しの夜は「家族で水餃子」~

 中国では、旧暦の大みそかの夜に水餃子を食べる風習があります。日本の年越しそばのように、絶対に欠かせないメニューです。

 餃子の起源はいつなのか、なぜ春節に食べるようになったのか、諸説ありますが、今回は「張仲景(ちょうちゅうけい)」説をご紹介します。

 張仲景は、今から約1800年前、後漢の時代の末期にいた医師です。彼は中医学の最も重要な文献とされる『傷寒雑病論』の著者として知られ、その功績から医聖と称えられています。そんな張仲景が、耳の凍傷対策として考案した料理が、餃子の原型とされています。張仲景は、羊の肉と生薬を練り合わせ、小麦粉を練った皮で包んでからゆでました。耳のための料理なので、形を耳に似せたわけです。そして張仲景は、冬至から翌年の元日(春節)にかけての、最も寒い時期に凍傷の治療に当たり、たくさんの患者を助けました。そういうわけで、以降、毎年冬至から元日にかけて、人々は張仲景への感謝を込めて餃子を食べるようになったのです。

 中国では、日本以上に干支が重視されています。春節が近づくと、新しい干支に関するさまざまな商品が発売されます。今年も、「龍」がモチーフの春節飾りや、人形、衣類にスマホケースなど、そして食べ物が人気を集めています!

 この巨大な龍は「麺塑(めんそ)」という中国の民間工芸で、もち米と小麦粉を練って人物や動物を形づくります。日本では「しん粉細工」という名前があります。中国では、北方の山西省や山東省、河南省、甘粛省などで盛んに作られています。こちらの龍は、山東省の麺塑職人が作ったもので、長さ8メートル、高さ2メートルもあります。色鮮やかで、春節にぴったりの作品です。

 春節は映画の書き入れ時~今年は最高のラインナップで映画商戦の白熱化は必至~

 春節は新作映画が多数公開されるため、家族や友人と映画館に出かけることも、今の春節に欠かせない楽しみの一つになっています。

 中国には映画の書き入れ時とされる時期が年に3回あります。それは、春節連休、夏休み、そして国慶節連休です。その中でも春節は、1年の始まりでありながら、早くも興業収入トップの作品が複数登場する、最も盛り上がる時期と言えます。統計によると、2023年春節期間に上映された映画全作品の興行収入はトータルで59億元(約1200億円)を突破したということです。今年は去年を上回る成績が見込まれており、映画シーンだけでも相当の経済効果が期待されています。

 さて、2024年の春節映画商戦にはどんな作品が登場するのでしょうか?

 いち押しは、昨年10月23日~11月1日まで開催の第36回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門に出品された劉徳華(アンディ・ラウ)主演作、日本でもう見たという方もいらっしゃるかもしれません。次に注目なのは、2023年に大活躍した張藝謀(チャン・イーモウ)監督の最新作。中年の検察官が、あるセンセーショナルな事件に巻き込まれ、自らもまた人生の試練に直面するという物語です。春節映画商戦の常連といえるのが、ジャッキー・チェン。2024年新作はタイムスリップ要素を取り入れた時代劇アクションで、2005年の話題作の約20年越しの姉妹編ということで、ぜひとも見逃せない1本です。

 2024年春節の映画商戦はアンディ・ラウにチャン・イーモウ、それにジャッキー・チェン。最高のラインナップと言えるのではないでしょうか!

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