【観察眼】ナウルの台湾当局との「断交」は始まりに過ぎない

2024-01-27 13:04:02  CRI

 ナウルとの「断交」の打撃からまだ立ち直していない台湾当局に、さらに新たな一撃だ。21日付の台湾メディアによると、太平洋の島国のツバルから派遣された「駐台湾地区代表」が、今月26日の同国の選挙後に、ナウルにならって台湾と「断交」する可能性があると表明したのだ。台湾当局の外事部門は急きょ、「台湾とツバルは多くの分野で密接な協力をしており、双方は互いの固い友情を大切にしている」と表明したが、台湾のネットユーザーは納得しておらず、「おのれを欺き、他人を欺く」言明に過ぎないと認識している。

 台湾当局は実際には、いわゆる「国交」のある国について、指導者の選挙の前に「断交」が伝えられ、選挙直後にすぐに実行される筋書きを誰よりも熟知している。2021年末のホンジュラスの大統領選に当選したシオマラ・カストロ氏は投票前に、大統領選で勝利すれば中国と外交関係を結ぶと表明していた。その後、台湾当局は火がついたように動き始め、米国が代表団を派遣して説得をしたが、ホンジュラスは台湾当局を果敢に切り捨て、中国と外交関係を樹立した。

 ナウルは2016年に民進党当局が発足して以来の、台湾と「断交」した10番目の国だ。今回の「断交」による連鎖反応はすでに出現しはじめている。

 ツバルでは2019年の総選挙で「親台派」のエネレ・ソポアンガ元首相が敗れ、台湾当局と「断交」に踏み切ると見なされていた現在のカウセア・ナタノ首相が勝利した。これは台湾との「断交」の幕開けだ。

 ツバルに続き、中央アメリカのグアテマラでも台湾「断交」の風が吹いた。数日前に就任の宣誓をしたばかりのアレバロ大統領は昨年の選挙期間中、当選後には一つの中国の原則を認め、中国と国交を樹立すると公言していた。グアテマラ記者協会の会長は、同国の社会各界が中国との国交樹立に大きな関心を持っていると述べた。

 また、オーストラリアのメディアはこのほど、太平洋の島国のパラオで今年11月に大統領選挙が行われた後に、台湾といわゆる「国交」がある国の数が再び変わるだろうと報じた。

 一国、そしてまた一国と、国際的な大義と時代の流れに合致する正しい選択する国が続いている理由には、それらの国が他国と中国との協力・ウィンウィンの実績を見たことがある。

 ソロモン諸島は中国と「一帯一路」を共に建設する中で多くの恩恵を受けている。中国企業によるインフラ整備への積極的な参与により、同国のインフラは大きく改善された。昨年11月に行われた第6回中国国際輸入博覧会では、ホンジュラスの企業が持ち寄ったコーヒーやワイン、ロブスターなどが世界各国の来場者の人気を博した。また、パナマにとって中国は2019年以来の最大の貿易パートナーで、中国企業が建設を請け負ったコンベンションセンターやクルーズ船ターミナルなどの重点プロジェクトは、両国の友情の象徴になった。

 それらの国が台湾と「断交」した理由には、中国との協力こそが自国の発展に現実の恩恵をもたらし、経済成長をけん引し、国民に幸せをもたらすことがあるが、それ以外にも、これまでのように地政学上の道具として米国に利用されたくないとする思いがある。米国が台湾問題について、「台湾独立」を支持せず、一つの中国の原則を認めることを繰り返し表明しつつも、政府関係者などを台湾に訪問させたり、他国に対して中国と国交を結ばないようにそそのかしたり、一部の国が台湾との「断交」を決めた場合には「失望した」と称したりしている。このダブルスタンダードのやり方を見た各国は、台湾問題をあおりつづける米国の真の姿を見極めることになった。

 世界に中国は一つしかなく、台湾は中国領土の不可分の一部だ。このことは、すでに国際社会が広く認める共通認識だ。ナウルと台湾の「断交」は単なる始まりだ。台湾といわゆる「国交」のある国の数がゼロになる日は必ず来る。(CMG日本語部論説員)

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