LNG運搬船を「海上のLNG貯蔵基地」に 中国上海

2024-01-17 15:32:35  CRI


LNG運搬船から改造されたFSRU

 中国のパイプライン業者である中国石油パイプライン局工程が運用してきた液化天然ガス(LNG)運搬船の「ガリア」を改造した浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)が16日、上海市崇明区長興島のふ頭で引き渡されました。

 FSRUはLNG運搬船としての機能を保ちつつ、LNGの受け入れや貯蔵、積み替え、再ガス化、陸上への送出などができます。ガリアは陸上パイプラインと連結して、都市にクリーンエネルギーを送る「海上LNG基地」になります。

 ガリアは全長296メートル、幅46メートルで、13万7000立方メートルのLNGを貯蔵でき、「一帯一路」共同建設に参加するキプロスのバシリコス港のLNGターミナルプロジェクトに使用されます。同プロジェクトはキプロスにとって近年来の最大のプロジェクトで、キプロスの国家エネルギー戦略の重要な構成部分として、同国の炭素排出量の30%削減、発電コストの15~25%削減を実現するとされます。同プロジェクトはまた、中国企業と欧州連合(EU)が「一帯一路」共同建設の一環として手掛ける初のエネルギープロジェクトです。

 今回の引き渡しは、中国企業がLNG運搬船をFSRUに改造する全産業チェーンを備えていることを示しており、クリーンエネルギーの国際市場における中国企業のブランド認知度と競争力の向上や、国際市場への一層の進出につながるとみられています。(鵬、鈴木)

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