【CRI時評】世界はなぜ中国製自動車を好むのか

2024-01-13 12:06:53  CRI

 この数日、山東省煙台港を出港した1隻の大型輸送船が全世界の注目を集めている。これは国内の造船所が建造した中国初の自動車運搬船で、中国製自動車の輸出に特化したものだ。この船は、深センで7000台の自動車を積み込み、欧州市場のニーズを満たすため現地に向かう予定だ。AP通信は、中国製自動車の輸出が急増する中、これは中国の自動車メーカーに海外進出の新たなルートを開くものだと評している。

 現在、中国製の自動車は既に200以上の国と地域に輸出されている。中国自動車工業協会が昨年11月に発表したデータによると、2023年は中国の自動車生産台数と販売台数が共に3000万台を突破し、15年連続で世界1位に輝いた。注目されるのは、491万台の輸出台数の内、新エネルギー車が120万3000台と、全体の4分の1を占めることだ。

 世界はなぜ中国製自動車を好むのか。専門家は、これはまず、近年中国製自動車の性能と品質が継続的に向上し、全世界の消費者からますます認知され、関心を持たれていることが関係していると見ている。特に、中国の自主ブランドが技術革新によって新エネルギー車分野における競争でチャンスをつかみ取り、海外市場をさらに切り開き、自動車輸出をけん引している。

 ますます多くの中国製自動車が「海外進出」し、全世界により高品質で低価格な商品をもたらし、現地の経済や関連産業の発展を後押ししている。吉利控股集団の楊学良上級副社長は筆者に、同社は2017年、競争の末にマレーシアの自動車ブランドであるプロトンの株式を取得し、この40年の歴史を持つ自動車メーカーをわずか2年で黒字転換させたと語っている。2023年には、プロトンの販売台数は対前年9.3%の伸びを見せ、2012年以降で最高の成績を収めるとともに、マレーシア市場での販売量第2位の座を5年連続で安定して守っている。

 それと同時に、中国の新エネルギー車は世界に向かい、各国のグリーン転換に貢献している。「中国グリーン貿易発展リポート(2022)」によると、2021年の中国のグリーン貿易額は1兆1610億9000万ドルで、世界最大のグリーン貿易国となった。中でも、新エネルギー車の生産・販売台数は8年連続で世界1位となっている。

 UBSグループの最新予測によると、中国の自動車メーカーの2024年の海外向け販売量は500万台と見込まれ、そのうちの大部分の需要は東南アジアなどの発展途上国のものだ。これにより、中国は世界最大の自動車輸出国の座を固めるとともに、各国により多くの利益とチャンスを生み出すことになるだろう。(CRI論説員)

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