サッカー中国代表監督就任のため6000万円贈賄!李鉄氏汚職事件の詳細が明らかに

2024-01-12 11:44:26  CRI

 中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)傘下の中央テレビ(CCTV)が制作したドキュメンタリー番組でこのほど、サッカー中国代表の李鉄前監督の汚職事件が取り上げられました。

 世間では、李鉄氏が相前後して二つのチームを中国スーパーリーグに昇格させた実績により代表監督に抜てきされたと広く認識されていますが、その裏には度重なる八百長があった事実が判明しました。李氏は2015年8月にプロサッカークラブ「河北華夏幸福足球倶楽部」に加入し、初めての監督を経験しました。李氏の就任後、同クラブはシーズン最後の8試合で「奇跡の8連勝」を遂げ、最終的にはライバルチームを1点上回って、中国サッカーのスーパーリーグ昇格を決めました。調査の結果、この「奇跡の8連勝」はすべて、裏で金銭が動いた八百長だったことが判明しました。シーズンのラストゲームを例にとると、李氏率いるチームが中国スーパーリーグに昇格するためにはこの試合で「勝ち」あるいは「引き分け」が必要でしたが、同クラブは1400万元(約2億8000万円)で相手チームを買収し、相手チームも大金を受け取って最終的に八百長に同意したということです。


中国スーパーリーグで監督を務めていた当時の李鉄氏

 2019年8月、中国サッカー協会が当時の東アジアカップに向けた男子代表のナショナルチームを結成するという情報を得た李氏は、チャンスが来たと強く感じました。李氏は当時所属していた「武漢卓爾」というクラブに働きかけて、200万元(約4000万円)の贈賄資金を出させたほか、自腹で100万元(約2000万円)を贈賄し、念願かなって、男子サッカーの代表チーム監督になれたということです。

 マルチェロ・リッピ監督の辞任後、李氏はすぐさま中国の男子代表監督に任命されました。代表監督就任が確認された翌日、李氏は「武漢卓爾」と総額6000万元(約12億円)でいわゆる契約を交わしました。この契約は実質上、権利を金で取引したという本質を隠すためのカモフラージュでした。その後、「武漢卓爾」からは所属する4人の選手がナショナルチームに選出されました。李氏は2020年1月2日に代表監督に就任し、2021年12月3日にファンの罵声を浴びながら解任されました。目先の利益を追った結果は、抜てきされたのも早ければ、没落も早いものでした。李氏は「とても後悔している。地道にしっかりと歩むべきだった。功を焦らず、あの手この手で近道をしようとしてはならない」と反省しています。(ミン・イヒョウ、坂下)

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