北京
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コロナ禍の収束で全面回復を果たした中国の映画シーンでは、国産映画の成長が目立ちました。トップ20のうち16本が国産で、国産映画全作品の興行収入は460億500万元(約8057億円)になり、全体の83.77%を占めていることが分かりました。洋画としてもっと興行収入が高かったのは、世界的なヒットを記録したカーアクションシリーズ「ワイルド・スピード」の10作目『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(中国題:速度与激情10)』。日本映画からは新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり(中国題:鈴芽之旅)』が唯一トップ20入りを果たしました。映画PRのため、新海監督が北京と上海を訪れたことは大きな話題に。本作の最終興行収入は8億元(約159億円)を超え、中国本土で一般公開を果たした日本映画として同監督作品『君の名は。』を抑え歴代1位に躍り出ました。
~集計期間:2023年1月1日~12月31日 単位:万元~
~作品紹介~
【11位】前任4:英年早婚
公開日:2023年9月28日
監督:田羽生(ティエン・ユーシェン)
出演:韓庚(ハン・ギョン)鄭愷(ライアン・チェン)劉雅瑟(リウ・ヤースー)于文文(ケリー・ユー)曾夢雪(ヅェン・モンシュエ)羅米(ルオ・ミー)
元カノ・元カレをテーマにした田羽生(ティエン・ユーシェン)監督のラブコメシリーズ第4弾。韓庚(ハン・ギョン)主演の第1弾『前任攻略(Ex File)』(2014)と、鄭愷(ライアン・チェン)主演の第2弾『前任2:備胎反撃戦(Ex-Files 2: The Backup Strikes Back)』(2015)、そして、ハン・ギョンとライアン・チェンのW主演による第3弾『前任3:再見前任(The Ex-File: The Return of the Exes)』(2017)に続き、6年ぶりとなる作品です。過去3作で恋愛に翻弄されてきた男たちが、今作ではついに「結婚」という課題に直面。
【12位】ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(中国題:速度与激情10)
公開日:2023年5月17日
監督:ルイ・レテリエ
主演:ヴィン・ディーゼル ミシェル・ロドリゲス ジェイソン・モモア ジョーダナ・ブリュースター シャーリーズ・セロン スコット・イーストウッド
世界的なヒットを記録したカーアクションシリーズ「ワイルド・スピード」の10作目が中国本土でも大ヒットし、洋画としてはランキングトップに!本作では『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』に続き、主人公ドミニクとそのファミリーの前に凶悪な敵が現れ、激しいバトルを繰り広げる様子が描かれました。
【13位】無名(Hidden Blade)
公開日:2023年1月22日
監督:程耳(チェン・アル)
主演:梁朝偉(トニー・レオン)周迅(ジョウ・シュン)王一博(ワン・イーボウ)王伝君(ワン・チュエンジュン)
2024年に日本上映を控えているサスペンス映画『無名(Hidden Blade)』。中国を代表する俳優の梁朝偉(トニー・レオン)や周迅(ジョウ・シュン)、そして今大人気のアイドル、王一博(ワン・イーボウ)らが主演を務めています。日本が真珠湾攻撃を始めた1941年12月7日、その翌日、「汪偽政権」が日本に追随して英米に宣戦布告し、日本も実質的に上海を占拠。太平洋戦争の全面的勃発により、中国での戦況も一変しました。本作はそんな歴史を背景に、中国共産党の情報員が祖国を守るために人知れず活躍する物語を描いています。
【14位】深海(Deep Sea)
公開日:2023年1月22日
監督:田暁鵬(ティエン・シャオポン)
主演(吹替):蘇鑫(スウ・シン)王亭文(ワン・ティンウェン)
2018年に日本でも公開されたアニメ映画『西遊記 ヒーロー・イズ・バック(原題:大聖帰来)』(2015)の田暁鵬(ティエン・シャオポン)監督が7年ぶりにカムバック!その最新作は、神秘的な海底世界を旅する一人の少女の冒険と成長をテーマにした3D CGアニメ映画で、実写を彷彿とさせる映像の質感に定評のある田暁鵬監督の持ち味が存分に生かされた1本となっています。
【15位】熱烈(One and Only)
公開日:2023年7月28日
監督:大鵬(ダーポン)
主演:王一博(ワン・イーボー)黄渤(ホァン・ボー)劉敏涛(リウ・ミンタオ)岳雲鵬(ユエ・ユンポン)小瀋陽(シャオシェンヤン)張子賢(ジャンジーシェン)
中国のトップアイドルとしてもてはやされ、今年は『無名(Hidden Blade)』や『長空之王(Born To Fly)』といったヒット作品を連発中の王一博(ワン・イーボー)の主演作。本作は、王一博演じる青年が、黄渤(ホァン・ボー)演じる男性が経営するダンス団体で活躍しながら様々な試練を乗り越え成長していく姿を描いています。昨年の第36回東京国際映画祭・中国映画週間に出品されました。
【16位】MEG ザ・モンスターズ2(中国題:巨歯鯊2:深淵)
公開日:2023年8月4日
監督:ベン・ウィートリー
主演:ジェイソン・ステイサム シエンナ・ギロリー クリフ・カーティス 呉京(ウー・ジン)
200万年前に絶滅したはずの巨大なサメ、メガロドン(通称:MEG)と人間の死闘を描く『MEG ザ・モンスター(中国題:巨歯鯊)』(2018)の続編。主演には、『トランスポーター』シリーズや『エクスペンダブルズ』シリーズなどで知られる人気アクションスターのジェイソン・ステイサムが続投したほか、主演作『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』や『流転の地球』などが日本で一般公開された中国のアクションスター、呉京(ウー・ジン)がジェイソン・ステイサムと初共演することでも、中国国内で大きな話題となりました。日本では2023年8月25日に公開されました。
【17位】長空之王(Born To Fly)
公開日:2023年4月28日
監督:劉暁世(リウ・シャオシー)
主演:王一博(ワン・イーボー)胡軍(フー・ジュン)周冬雨(チョウ・ドンユイ)
『無名(Hidden Blade)』と『熱烈(One and Only)』に加え、王一博(ワン・イーボー)主演の3作品すべてが年間トップ20入りを果たしました。本作は新人監督・劉暁世(リウ・シャオシー)がメガホンを取るもので、エースパイロットたちが新型戦闘機のテスト飛行に挑む様子を描くアクション映画となっています。
【18位】志願軍:雄兵出撃(The Great War)
公開日:2023年10月1日
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)
出演:辛柏青(シン・バイチン)朱一龍(チュー・イーロン)張子楓(チャン・ズーフォン)陳飛宇(チェン・フェイユー)朱亜文(チュー・ヤーウェン)
中国立国の戦いと位置付けられる抗米援朝戦争の勝利70周年記念映画が国慶節の10月1日に合わせて一般公開されました。同じく「抗米援朝」を題材にした『1950 鋼の第7中隊(原題:長津湖)』などの陳凱歌(チェン・カイコー)監督がメガホンを取るもので、当時活躍した若き戦士たちの勇姿を描いています。
【19位】すずめの戸締まり(中国題:鈴芽之旅)
公開日:2023年3月24日
監督:新海誠
主演(吹替):原菜乃華 松村北斗(#SixTONES)染谷将太 花澤香菜 神木隆之介
新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が、中国本土でロングヒットを記録。監督自身の作品『君の名は。』で築き上げた中国本土での記録を自ら塗り替えました。日本各地の廃墟に点在する“災いの元となる扉”を閉めるために旅をする少女の姿を描く物語です。
【20位】アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(中国題:阿凡達:水之道)
公開日:2022年12月16日
監督:ジェームズ・キャメロン
主演:サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ シガニー・ウィーバー スティーヴン・ラング ケイト・ウィンスレット
ジェームズ・キャメロン監督作『アバター』の約13年ぶりの続編が中国本土でもロングヒットを実現!本作は第1作の10年後を描いたもので、神秘の星パンドラに人類が再びやってきたことから、パンドラの森で平和に暮らしていた元海兵隊員と先住民の女性たちが海へと逃れる様子を描いています。これは全5作からなる「アバター」シリーズの2作目で、3作目が2024年に公開予定です。
(ミン・イヒョウ、謙)