北京
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今年、中国の食糧の主産地は、小麦の収穫期の持続的な雨による被害や深刻な洪水、干ばつなどにより、収穫量が大幅に減少した。それにもかかわらず、今月発表された統計によると、中国の今年の食糧生産量は昨年比1.3%増の6億9500万トン以上に上り、9年連続で6億5000万トンを超え、世界一をキープしている。なぜ、このようなことができたのだろうか。
まず、作付面積は収穫量を確保するための基礎であり、その安定は収穫量の安定につながる。中国政府は食糧の買い付けや農家への補助金と保険などに関する優遇政策の改善を続け、農家の積極性を効果的に引き出すとともに、荒れ地やアルカリ土壌の農地への改良を続け、作付面積の安定した増加を確保してきた。今年の全国の食糧の作付面積は前年比0.5%増の1億1900万ヘクタール。うち、食糧生産量全体の4分の3を占める秋収穫の食糧の作付面積は4年連続で増加し、約8700万ヘクタールに達した。
農業の分野では、作付面積を増やすよりも、単位面積あたりの収穫量を引き上げることが重要だとされている。現代的な農業生産と経営方式に基づいて整備された、土地が肥え、施設が完備され、災害に強く、単位面積の収穫量が安定した耕地のことを「高標準農地」というが、これは従来の農地と比べ、単位面積あたりの収穫量は10~20%高い。中国は近年、高標準農地の建設を持続的に推進しており、その総面積は昨年末までに約6700万ヘクタールに上っている。このような取り組みにより、中国の単位面積あたりの食糧生産量は過去5年間で約3.5%増加している。中でも小麦とトウモロコシの上昇が目立ち、増加幅はそれぞれ6.8%、5.3%に達した。今年、政府主導で行われた主要農作物の単位面積あたり収穫量の向上を目指す措置により、食糧の単位面積あたり収穫量は平均にして前年比2.9キロ上昇し、その食糧生産量全体の増加への貢献率は58.7%に達した。これは洪水、干ばつなどの災害が食糧生産に及ぼしたマイナス影響を効果的に緩和させた。
単位面積あたり収穫量の上昇の背景には、ハイテクの応用がある。中国の農業機械化率は2012年の57%から2022年には73%に上昇し、中国が独自に開発したさまざまな農機と情報システムが各地で応用されている。北西部の新疆ウイグル自治区の麦畑では、農業技術者がルートとパラメータを設定した後、衛星測位システム「北斗」を搭載した無人種まき機が自動で精確な種まきを行った。北東部の黒竜江省では、スペクトルカメラを搭載したドローンが大豆畑の上空を飛ぶことで、必要な水と肥料の量を計算し、この計算に基づいて自動生成された作業計画を、大型自走式灌がい機が実行に移した。東部の安徽省では、農家の人が田んぼに入る必要はない。スマホ上のスマートモニタリングシステムを見るだけで、土の温度や水温、病虫害の有無、適切な収穫時期を知ることができる。このほか、外部環境の影響をあまり受けずに、立体栽培によって土地を節約できる「植物工場」などのスマート農業技術の応用や、干ばつ、水害、病虫害、塩・アルカリなどに強いといった特徴を持つ農作物の新品種の育成も加速している。
中国は世界の9%に満たない耕地で世界人口の約5分の1を占める人口の食の需要を満たしている。食料自給率は100%以上、穀物自給率は95%以上を維持し、1人当たりの年間の食料占有量は約480キログラムで、国際的に認められている安全ラインの400キログラムを上回っている。
1994年、米国の学者レスター・ブラウン氏が自らの文章で「誰が中国を養うのか」という問題を提起し、中国は必ず食糧難になると断言した。あれから数年が経ち、中国はとっくに答えを出している。今週、中国最高レベルの農村会議である中央農村活動会議が開催され、作付面積の確保、単位面積あたりの収穫量の増加、コア技術の開発を続け、年間の食糧生産量を6億5000万トン以上に維持することが強調された。米誌『ワールド・グレイン』の記事が述べているように、「すべての国が国内の食糧安全保障の確保を最優先課題とすることを誓っているが、近年、中国ほどその実現に力を入れている国はない」。(CMG日本語部論説員)