【CRI時評】中国企業に手を下しても、痛い目を見るのは英国自身

2023-12-20 09:23:29  CRI

 最近、英国のメディアが、英国ナショナル・グリッドが「安全性」を理由に中国企業が提供した構成部品を撤去するという情報をすっぱ抜いた。現在、英国ナショナル・グリッドはこの件について直接は回答しておらず、「インフラ施設の安全性を非常に重視しているとともに、効果的な抑制措置を取る」と言葉を濁した表明を行っているのみだ。

 仮にこれが事実なら、実質は英国が中国企業に汚名を着せて、いわゆる「中国の脅威」をあおり立て、中国企業の海外展開に障害を生むことになると指摘する分析もある。だが平手打ちを食らわせても、真に痛手を被るのは英国自身だ。

 専門家は、この英国の措置には二重の政治目的があると考えている。一つは米国に追随し、中国の科学技術企業への圧迫を強めることで、英米のいわゆる特殊な盟友関係を体現することだ。もう一つは、英国は来年選挙を迎えるため、与党は中国に厳しい姿勢をとることで得票を増やしたいと考えていることだ。

 今回の件に関与している中国企業は産業制御分野およびクリーンエネルギー分野のいずれにおいてもリーディングカンパニーと言ってよく、強い自主研究開発能力を持っている。このような企業が果たす役割は簡単に代替できるものではない。英国が市場のルールを無視し、中国のサプライヤーを排除することで、高い代償を払うことになるのは間違いない。

 電力インフラ施設建設に対する先を見据えた計画の欠如に、経験豊富な中国企業を排除することも加わって、炭素排出大国の上位に名を連ねる英国は炭素排出削減目標の達成が困難になるかもしれず、これは欧州全体のクリーンエネルギー推進の歩みの減速を招くことになるだろう。

 中国企業が提供した構成部品を撤去することで、英国ナショナル・グリッドはそれに代わる企業を探すという難題に直面することになる。英国が犠牲を顧みず商業的、技術的問題を高度に政治化することは、国際的な大企業に英国市場が開放性、公平性、無差別性を保ち続けられるのかどうかという疑いを生むことになり、英国への投資に対する信頼感が低下する可能性がある。

 いわゆる「安全保障」を口実にしてデカップリングを推し進め、サプライチェーンの切断を推進して不当に中国企業を抑圧しても、中国の発展を封じ込めることはできない。英国国内の理性的な人々は、中国が協力パートナーであり、発展のチャンスでもあること、中英の正しい付き合い方は実際的な協力、互恵ウィンウィンであり、2国間関係の健全で安定した発展の推進が全世界に恩恵をもたらすことを認識すべきである。(CRI論説員)

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