若者が高齢者食堂のサービスに便乗 本来目的に悪影響ないのか 中国

2023-12-18 13:24:16  CRI

20代若者が高齢者食堂で食事することが注目されている

 高齢者向けの食堂で食事、高齢者大学で受講、高齢者向けの旅行団に参加――。今年下半期には、20代や30代の若者がしばしば高齢者消費の場に“突入”していることが、ソーシャルメディアで話題になりました。「高齢者向け食堂は美味しかった」と驚いてみせた人もいます。しかし、若者が高齢者向けの食堂に殺到することは高齢者向けの資源や福祉などを奪うのではないかと心配する人もいます。

 中国北部の天津市の朱峰民政局長は、「天津市の高齢者支援の食事サービスは社会全体に開放している。食事をする人数が増えれば、社会の他の利用者層に食事を提供できると同時に、食堂の利益を増やすこともできる。そのことは、高齢者支援の正常で持続可能な運営の確保につながると思う」と述べました。

 朱局長はまた、「天津市が運営する高齢者向け食堂は総合食堂であり、高齢者食、児童食、女性栄養食、ダイエット健康食などを提供し、多元的な食事需要を満たす。より多くの顧客に来ていただきたい。高齢者が受けられる割り引きや手当などが悪影響を受けることはなく、逆に、食堂は良好な運営により、さらに多くの利益を得られる。より多くの若者が食事に来ることを歓迎する」と語りました。

 高齢者向けの食堂以外にも、多くの若者が高齢者大学の研修クラスに参加していることも注目されることになりました。多くの高齢者大学を取材した報道によれば、一般の社会人向けの研修講座では受講料が数千元から数万元までであるのに対して、高齢者大学の受講料は1学期分で数百元ほどです。低料金であるだけでなく、高齢者大学のカリキュラムは多種多様で、生活や芸術、書道、ダンス、情報技術、文学など多くの分野に及び、実力のある教師が手配されているとのことです。

 たくさんの若者が高齢者大学に入ることで高齢者の受講チャンスが奪われるのではないかと心配されているようですが、メディアの調査によれば、中国の多くの都市では高齢者大学の講義を申し込む際に男性が55歳以上、女性が50歳以上という年齢条件が設けられており、講義が始まってから2週間後に定員にならない場合に応募条件の制限が緩められ、該当年齢に達していない人も申し込みが許可されるとのことです。(任春生、鈴木)

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