中国の水素動力ドローン 初めて極寒環境下での電力網点検に投入

2023-12-14 13:23:41  CRI

 水素動力ドローンが初めて高地で寒冷地帯の電力網巡査に使用

   中国国家電力網集団ハルビン供電公司送電運営検査センターのスマート巡査点検係員が13日午前9時、中国東北部の黒竜江省ハルビン市道外区で水素動力ドローンを使って220キロボルトの送電塔の点検作業を実施しました。中国初の極寒環境下での水素動力ドローン実用でした。

   寒冷地でのドローンを使った点検作業はこれまで大きな問題にさらされていました。今回の点検作業には6回転翼の水素動力ドローンが使われました。ドローンには可視光線と赤外線のカメラが搭載されており、摂氏氷点下22度の低温環境での220キロボルトの送電塔の点検作業を実施しました。この作業は飛行の安定性、応急処理の即時性、通信の長距離中継などの実証試験も兼ねており、いずれの試験も順調に完了されました。今回の応用によって、水素動力ドローンによる低温環境下での長時間稼働の信頼性と安定性が検証され、水素動力ドローンが低温下でも安全かつ高効率に各種の巡視点検作業をこなせることが証明されました。

   水素動力ドローンは水素燃料電池を主たる動力源にしています。触媒の働きによって、搭載している水素と大気中から取り込んだ酸素の化学反応を発生させて発電することでモーターを駆動して飛行させるとのことです。このドローンには、真の意味でのゼロ炭素排出を実現した上で、長時間の航続が可能で低温にも耐えるなどの利点があります。また、利便性が高く高効率で送電回路の状況を調べて情報を収集することで、巡査点検員の作業負担を大いに軽減させるほか、外力による回路の破損や森林火災、高木などによる危険性もただちに発見することで、電力網の安全かつ安定した運営を確保できます。(Lin、鈴木)

 

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