【CRI時評】英国は多くの国の訴えを正視し略奪文物を返還するべき

2023-11-28 13:22:13  CRI

 英国ロンドンのラッセル・スクエアには、世界的に有名な博物館である大英博物館がある。コレクションにあふれているように見えるが、実際は「幅広い窃盗の象徴」と呼ばれ、館内の800万件以上の所蔵品の大半は他の国からもたらされたものだ。長年、多くの国が英国から略奪された文物を取り戻そうとしてきた。最近、ギリシャのミツォタキス首相が声を上げた。

 ミツォタキス首相は26日から英国を訪問している。彼はBBCの番組に出演した際、大英博物館がパルテノン神殿のエルギン・マーブルをギリシャに戻すよう発言した。彼は、「これら文物の帰属権については争う余地はない。紛れもなくギリシャであり、それらは盗まれたものだ」と指摘した。

 このような被害を受けているのはギリシャだけではない。英国はかつて、最も多くの海外植民地を持つ欧州の列強だった。大英博物館はすなわち英国の植民地支配の歴史を展示する展覧館であり、館内の所蔵品の大半はいずれも英国による海外略奪の証人だ。その中には、中国の文物2万3000点も含まれている。

 ユネスコの不完全な統計によると、中国から海外に流失した文物は少なくとも164万点あり、大英博物館は中国から失われた文物を最も多く所蔵している博物館の一つだ。殷周時代の青銅器から唐や宋の時代の磁器、明や清の時代の金や玉の製品まで、ここに所蔵されている中国文物はほぼすべての芸術カテゴリーを網羅し、中国の歴史のほぼ全ての時代に及んでいる。大英博物館のいわゆる「十大秘宝」のうち、3点は中国から来たものである。唐時代の「女史箴図(じょししんのず)」模写、敦煌の壁画と元代の大雄徳花瓶がそれだ。これらの文物には通常は合法的な「出所」を記載したラベルが付されているが、実際は戦争、窃盗、闇市場での購入などであり、しかもその大部分はアヘン戦争から中華人民共和国成立までの100年余りの間に起こったものだ。

 略奪文物を取り戻すために、中国を含めた多くの国が絶え間なく努力してきたが、英国は「文物の安全保護」を理由に一貫して返還を拒んでいる。1963年には英国議会が「大英博物館法」を改定し、法律の形で文物の返還を禁止してさえいる。

 今年の8月、大英博物館の約2000点の宝物が所在不明であり、しかもその一部がインターネット上で売りに出されていることが明らかになった。これは大英博物館の信用を危機に陥れ、「文物の安全保護」の能力に疑いを抱かせた。中国を含めた多くの国が改めて英国に文物の返還を求めている。

 植民地の時代は繰り返されることはない。英国は多くの国の正当な訴えを直視し、一刻も早く略奪した文物を返還すべきである。(CRI論説員)

 

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