北京
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玄武岩で作られた繊維
中国中部、湖北省襄陽市のある企業が、硬い火山岩の一種である玄武岩を柔らかい糸に変え、特殊な用途向けの服を作ることに成功しました。
湖北匯爾傑新材料科学技術株式会社の生産現場では、玄武岩が高炉に投入され、1000度以上の高温で溶かされて液体になった後、回転軸を介して肉眼ではほぼ見えないほどの細い糸に引き伸ばされます。1本の繊維の中には、直径500マイクロメートルのモノフィラメント(単繊維)が合計400本含まれています。同社の責任者によると、玄武岩の繊維を引き、糸を作り、布を織る全プロセスの中で、糸の品質、つまりその均一性を確保しなければならない、繊維を引く工程が最も重要だということです。
玄武岩繊維は天然の防火材料で、1000度近い高温に耐えられるだけでなく、鉄筋の4倍の引張り力にも耐え、断熱・電気絶縁・放射線防護の特徴も併せ持っています。これまでは建築物の強度と靱性を高めるための工業用混合物として使われることが一般的で、衣料品の生地として使用する前例はほとんどなかったということです。
湖北匯爾杰新材料科学技術株式会社では、一本一本の玄武岩繊維を快適性のある繊維で包んで複合糸を作り、消防服などの服に利用することに成功しています。
現在の消防服の主な材料であるアラミド繊維の耐熱限界が300度であるのに対し、玄武岩繊維は耐熱限界が1000度で、600度の環境下でも長時間使用できるだけでなく、耐屈曲回数は1万回を超え、単価はアラミド繊維の3分の1に過ぎません。また、玄武岩繊維は耐低温性、放射線防護の面でも優れているため、宇宙でも活用できるとみられています。(鵬、坂下)