中国で若者を中心に「デパ地下」人気が急上昇 魅力はお手頃価格と多様性

2023-11-20 13:59:41  CRI

 中国人の多くは、ショッピングモールなど大型商業施設の地下階で売られる商品は地上階のものより「ワンランク下」という印象を抱いてきました。しかし2年ほど前から、多くの商業施設が地下1~2階の売り場に力を入れるようになりました。従来はモール1階の「常連」だった最新流行のファッション品や貴金属宝飾品類を扱う店も、一部が地下に店舗を移す傾向があります。その原因は消費者の消費方式と移動方式の変化に深く関わっており、実店舗ビジネスが迎える新たなチャンスでもあります。

 若い女性の趙さんによると、地下1~2階で用をすべて済ませられるため、2年ほどは上の階には行っていないそうです。趙さんが大型商業施設に足を運ぶ目的は、主に飲食やリラックス、生活用品の購入で、「地下1~2階には飲食店がたくさんあり、毎日食べても1カ月は異なる店を楽しめる。美容室やネイルサロン、フェイススパ、ランドリー、スーパーも全部ある。地下1~2階をぶらつくだけで、基本的にすべてを満たせる」と説明しました。

 趙さんのような消費者はほかにも多数います。北京の多くの大型商業施設を調査したところ、昼食と夕食のピーク時でも、平日午後など客数が比較的少ない時間帯でも、地下階の客数は2階や3階などをはるかに上回っていたとのことです。また、飲食店が集まる最上階や客寄せとなる1階も、一部の時間帯では地下階の客数に及ばないことが明らかになりました。これまで施設の中心だったフロアが「閑古鳥が鳴く」状態であるのに対し、地下の売り場では「門前列をなす」活気を見せる施設もあり、客数の差は数倍から十数倍に達するとのことです。

 大型商業施設の地下1~2階の店舗の業態は幅がより広く、飲食、アパレル、スーパーなど従来型業態の他に、アートトイや読書スペースなどの新興業態もあります。また、地下階ではフェアやテーマ展など臨時のキャンペーンが行われ、若者の消費ニーズと好みに対応しています。

 あるニューメディアが大都市にあるショッピングモールの地下階の飲食店を統計したところ、最も多いのはドリンクショップで29.93%、次いでファストフード店が26.28%で、ベーカリーは13.14%、菓子類販売店は9.49%で、単価が特に高い一部のベーカリーを除けば、大多数の飲食店では1人当たりの消費額が40元(約800円)以内だったとのことです。(怡康、鈴木)

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