【CRI時評】次の30年に再び奇跡起こすためアジア太平洋が歩むべき道とは

2023-11-19 14:01:45  CRI

 中国には「三十而立(三十にして立つ)」という言い習わしがある。三十は成熟を意味し、新たな道の始まりも意味する。今年はアジア太平洋経済協力会議(APEC)第1回非公式首脳会議が開催されてから30周年に当たる。アジア太平洋の発展の次の「黄金の30年」をどのように創出するか。多くの人が思考中だ。

 米サンフランシスコで開かれていたAPEC第30回非公式首脳会議で、中国の習近平国家主席は17日、アジア太平洋の質の高い成長を共に促進するよう呼び掛け、中国が中国式現代化をもって世界各国の現代化の実現を後押しすると約束し、中国の答えを出した。

 中国に関心を寄せる人なら、「質の高い発展」が中国の発展の中核を成す語彙(ごい)であることに気づくだろう。中国の「質の高い発展」からアジア太平洋の「質の高い成長」へ。その間にはどのような関連性があるのだろうか。中国は自国の経済発展を通じて、イノベーション、グリーン、開放という「質の高い発展」の理念を深く理解しており、これらの経験をアジア太平洋地域にシェアし、より多くのAPECの経済体に共同発展を実現させたいと考えている。今回のAPECサミットで発表された「サンフランシスコ宣言」は、この地域が靭性、持続可能性、相互連結、イノベーション、包容性を優先事項に含めるよう後押しすることを強調した。これは中国の関連政策・主張の現れだ。

 アジア太平洋の「質の高い成長」の実現には、協同と協力が必要であり、特に大国は責任を負い、グローバル産業チェーンとサプライチェーンの安定維持と地球規模の試練への共同対応に模範的な役割を果たすべきだ。アジア太平洋の「質の高い成長」の実現に向けて、各国にはそれぞれのやり方があるが、例えば、開放的な地域主義の堅持やAPECの地域協力におけるメインチャンネルとしての地位の維持など、多くの基本的な問題について共通認識を形成する必要がある。

 APEC会期中にいわゆる「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚級会合もサンフランシスコで開かれたが、最も重要な貿易面でいかなる合意にも至らなかったことが注目されている。このことは、「アジア太平洋」を「インド太平洋」に置き換え、「小サークル」をつくることは、グローバル化の発展の流れにも、開放的な多国間主義の精神にもそぐわないものであり、APECという「メインチャンネル」に戻らなければならないことを物語る。

 中国は今まで歩いてきた道のりにおいて、アジア太平洋の協力を推進するという初志を貫き、方向性を指し示しただけでなく、行動に移してきた。過去から現在、そして未来に至るまで、アジア太平洋は終始、共同成長と互恵ウィンウィンの発展プラットフォームであるべきだ。(CRI論説員)

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