合計3億3000万円に 謎の寄付者が25年連続で慈善団体に寄付=中国寧波市

2023-11-16 14:28:04  CRI

寧波市慈善総会に届いた「順其自然」氏からの送金領収書

 中国東部にある浙江省寧波市の慈善総会に15日、厚い書留郵便1通が届きました。封筒には「順然」と署名され、実在しない「人民路1号」が住所として書かれています。封筒の中には送金領収書が110枚あり、総額は108万元(約2250万円)でした。今回で25回目の寄付となり、この謎の寄付者がこれまでに寄付した金額は1577万元(約3億3000万円)に達しました。

 1999年12月、寧波市慈善総会は初めてこの謎の人物から寄付金を受け取りました。当時は5万元(約104万円)で、署名は「順其自然(自然に任せる)」でした。また、封筒には「良いことは言わず、悪いことはしない、自然に任せる」と書かれたメモもありました。それ以降、毎年11月末から12月初めにかけて、匿名の寄付金が届いています。毎回「順其自然」の4文字からランダムに2文字が選ばれ寄付者の名前とされ、例えば「順其」「順然」「順順」「其然」などがありました。1万元(約21万円)になると実名が必要なため、どの送金領収書も1万元を超えておらず、送金元も実在しない場所です。

 寧波市慈善総会の職員によると、「順其自然」氏が一体誰なのか、実際に探せば分かるはずですが、寄付者の匿名意思を尊重し、3年目の寄付金が届いた後、「順其自然」氏の正体を究明することを諦めたそうです。

 「順其自然」氏の意思に基づいて、これまで20年以上、寧波市慈善総会は寄付金を奨学金などとして教育の分野に使うことを堅持し、メディアを通じて寄付金の用途や使用状況などを公表しています。これまで経済的に困難を抱える2000人以上の大学生が助けられました。(任春生、野谷)

ラジオ番組
KANKAN特集