北京
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第6回中国国際輸入博覧会(輸入博)が10日、上海市で閉幕した。今年の輸入博では、442件の新製品・新技術・新サービスが初公開され、年間の契約意向額が784億1000万ドルと最高額を更新するなど、大きな成果を収めた。また、出展企業数も154の国・地域、国際組織から3400社以上となり、鉱業大手3社、食糧大手4社、船舶輸送大手5社、電気工業大手10社、自動車大手15社などが含まれた。そのうち、日本は出展企業数が350社に達し、6年連続で外資系企業の出展数が最も多い国となった。
日系企業が積極的に出展し、輸入博の「熱狂的なファン」になった理由は、いったい何なのだろうか。
輸入博の初開催から6年連続で参加したパナソニックHD代表取締役副社長で中国日本商会会長を務める本間哲朗氏は、「各業界の日系企業にとって、輸入博は新製品や新技術をアピールする絶好の舞台となり、ビジネスを展開する絶好の機会となっている」と指摘した。
今年3回目の出展となった住友電工貿易(深セン)有限公司の武尾敬三董事総経理は、「過去2回の出展を通じて、新たな顧客の獲得、地方政府との新たな関係の構築、中国大手企業との提携合意など、ブランド力の向上に大きく貢献した」と述べた。
5年連続で出展した化粧品大手・資生堂中国の梅津利信総裁兼CEOは、「中国市場は弊社における最大の海外マーケットであり、中国経済の未来に自信を持っている。今後、中長期を見据えてしっかりと投資をしていく」と投資拡大への意欲を示した。
輸入博の初開催以来、日本の中小企業の出展を取りまとめる日本貿易振興機構(JETRO・ジェトロ)上海代表処の水田賢治首席代表・所長は、「輸入博の継続的な開催は、開放、協力、イノベーション、科学技術を重視するメッセージを発信している。これは揺るぎなき姿勢で開放と自由貿易を支持し、グローバル経済一体化を積極的に推進する中国政府の決意を示しており、日本企業により多くのチャンスと可能性を提供している」と述べた。
これら参加企業、団体の代表者の話からも分かるように、広大な市場、力強い発展の勢い、実務的な開放措置こそが、日系企業が中国市場を重視する理由だ。わずか3日前、国際通貨基金(IMF)は、中国経済の2023年の成長率見通しを5.4%に、2024年については4.6%に引き上げると発表した。いずれも10月発表の見通しから0.4ポイントの上方修正となった。IMFのスティーブン・バーネット中国上級駐在代表は、「中国は依然として世界の経済成長をけん引する最大のエンジンであり、世界の経済成長の3分の1に貢献している」と話した。グローバル金融サービス企業JPモルガン・チェースやUBSグループ、ドイツ銀行など多くの金融大手も最近、今年の中国経済の成長予測を上方修正し、中国経済が持続的に回復し、発展の質が着実に向上しているとの見方を示した。また、中国国際貿易促進委員会の最新調査によると、調査対象となった外資系企業の約7割が今後5年間の中国市場の見通しを楽観視している。輸入博のみならず、9月に北京市で開催される中国国際サービス貿易交易会、毎年2回広東省広州市で行われる広州交易会という対外開放の3大国家級展示会への外資系企業の参加意欲は持続的に高まっており、中国市場を開拓するという決意を実践的な行動で実行している。
5年前、習近平国家主席は第1回輸入博の開幕式で行った基調演説の中で、中国経済の広大さ、開放性、包容力を「海」という言葉で表現した。中国は14億人以上の人口、4億人以上の中所得層を抱え、世界の産業チェーンとサプライチェーンの重要な構成部分であり、世界で最もポテンシャルのある大市場だ。
中国には「海納百川(海は無数の川を受け入れる)」という成語がある。中国は日本を含む世界各国の企業が中国市場に参入し、発展のボーナスを分かち合うことを歓迎し、各国企業が中国という「海」で帆をあげて航海し、たくさんの成果を収めて帰ることを期待している。(CMG日本語部論説員)