<輸入博> ジャパンモールの日本酒出展者「予想を上回る手応え」に高まる期待

2023-11-09 21:02:34  CRI

 5日に開幕した第6回中国国際輸入博覧会では、日本酒出展者が「予想を上回る手応え」と述べ、輸入博の効果を高く評価して、今後も中国での売り上げの拡大を期待する見方を示しました。

 今年の輸入博では、ジェトロ(日本貿易振興機構)が日本の中堅・中小企業の出展を取りまとめた「ジャパンモール」に設置された、蛇口をひねれば日本各地の地酒が自由に試飲できるコーナーが多くの来場者を引きつけました。ジェトロによれば、日本酒の試飲は昨年に続いての実施で、今年の出展は昨年の3倍の150銘柄にも上りました。

第6回中国国際輸入博覧会のジャパンモールでの日本酒試飲コーナー

 昨年4月に中日両国の若者3人により、東京で設立された「Sake RD」社は、日本酒のEC販売や日本酒文化の海外普及を手掛けるスタートアップ企業です。初出展する今回の輸入博では、同社が扱う日本酒の中から念入りに選んだ30銘柄を出品しました。

 共同創業者で、同社代表取締役の渡邉禄朗さんは中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の取材に対し、「日本酒は100回説明するよりも1回飲むのに勝ることはない」と出展を決めた理由を教えてくれました。渡邉さんはさらに「輸入博では、普段接することのできない方たちがたくさん訪れるので、まずは飲んでいただける機会を持てたことが、とてもうれしい」と、出展した感想を説明しました。

 会場で銘柄の説明をする、同社の共同創業者で、国際唎酒師(ききざけし)の資格を持つ劉柳さんは、「客足はもちろん、評価と反響のいずれも予想を上回った」と話し、輸入博でのPR効果について、「開幕後、Sake RDのECサイトはページビューが3倍になり、注文数もいつもの4倍に一気に増えた」と、満足できる手応えを実感したと語りました。

来場者に説明するSake RD社の劉柳さん(右)

  中国では2013年以降、訪日観光客数が急増し、日本食レストラン数も増加しました。日本からの酒類輸入量は2015年から飛躍的に増え始め、現在では日本からの酒類の輸出で、ウィスキーと清酒を中心に対中輸出が全体の3割を占めるようになりました。第6回輸入博の期間中の8日から10日までは、国際的なアルコール飲料業界向けの専門見本市「ProWine Shanghai2023(プロワイン・上海2023)」も上海市内で開催され、日本政府国税庁が「日本パビリオン」を設け、焼酎と泡盛に特化した出展を行っています。

 渡邉さんは中国における日本酒の「のびしろ」について、現在は主に上海や北京など沿岸部の大都市の日本食レストランで飲まれていますが、今後は内陸部での普及や日本食レストラン以外での新しい楽しみ方の増加に伴って、大きく伸びていく潜在性があるとの見方を示し、「私たちは今後も、中国市場での販売拡大に期待する」と話しました。(取材・記事:王小燕、王穎穎、王巍、劉叡)

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