<輸入博>住友電工「中国は重要な市場」最新型光ファイバ融着接続機などを出展

2023-11-07 11:38:05  CRI

 5日に開幕した第6回中国国際輸入博覧会には、350社の日本企業が出展し、国別ではもっとも多いとされています。その中の一つが今年で創業126年の住友電工です。同社は、1977年の中国香港進出から今年で46年。輸入博には2021年に初出展し、今回は3度目の出展となります。

 住友電工貿易(深セン)有限公司の武尾敬三董事総経理は開幕直前、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の取材を受け、第6回輸入博では同社が「中期経営計画2025」で公表した「つなぐ・ささえる 技術でグリーン社会の未来を拓く」というスローガンに基づき、特に「脱炭素社会」および「情報通信社会」の発展に貢献すべく展示を行っていると語りました。また、今回の目玉として、水処理関係の新設備、各種電気自動車の部品のほか、アジアで初の発表となる光ファイバ融着接続機の最新型「多心融着接続機」を展示しているとのことです。同製品は、複数本の光ファイバを一度に接続することが可能で、工事の効率アップにつながることで注目されています。

第6回輸入博に出展される多心光ファイバ融着接続機(提供写真)

 住友電工は「一般消費者向けのビジネスがほとんどないため、中国社会で名前を浸透しにくい」という悩みを抱えていました。メディアの露出度が高い輸入博への参加について、「ブランドイメージの向上に大きく貢献した」、「地方政府や国有企業と直接対話する場に恵まれた」と高く評価し、また、輸入博が果たした交流促進の役割を「非常に有効で、大きな意義がある」としました。

 武尾総経理は過去2回の出展について、新製品の発表を通じた新しい顧客の獲得、地方政府との新たな関係の構築、中国大手の通信事業者「中国電信(チャイナ・テレコム)」との提携を深める合意など、まずまずの手応えがあったと振り返り、今年も新たな出会いに恵まれることに期待を示しました。

第6回輸入博での住友電工のブース

 住友電工は中国進出から40年余りの間、メイン・ビジネスとして当初は500kVの超高圧ケーブルや海底ケーブルという中国国内で作れなかった製品の販売・施工・保守をおこなっていましたが、現在は5Gなどで使われる通信デバイスにシフトしてきています。武尾総経理はこれらを紹介しながら、中国社会の成長とともにビジネスの規模を拡大してきた歩みを振り返りました。

 そのうえで、「中国は市場規模が大きいうえ、決して無視できない市場だ」と指摘し、今後は中国が取り組みを強化している「脱炭素社会」と「情報化社会」に貢献する技術・製品の提供に尽力していく姿勢を示しました。

 武尾総経理は「元々、輸入博の精神は、中国はまだまだ積極的に海外のいろんな新しい技術を受け入れたい、そのためのプラットフォームを作りたいというメッセージだったと受け止めている。それをぜひずっと堅持し、発信し続けてほしい」と今後の輸入博の継続的な開催に期待を示しました。

 住友電工は1977年に中国香港に進出し、現在、中国事業の関連会社は98社、従業員4万人あまりの規模に成長。売上はグループ全体の16%を占め、主力商品の一つである融着接続機は、中国市場で25%のトップシェアを占めています。(取材・記事:王小燕、王穎穎、王巍)

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