「海底の針に糸」 中国で8万トン級海底ンネル建設はミリメートル級精度達成

2023-11-03 12:40:50  CRI

深中通路にある伶仃洋大橋の建設工事

 中国東南部の広東省深セン市、中山市、広州市の南沙区を結ぶ「深中通路」は、「橋・島・トンネル・海底通路」を一体化したスーパープロジェクトで、全長は24キロで、うち6.8キロは海底トンネルです。問題は、両側8車線のトンネルをいかにして深さ数十メートルの海底に設置するかでした。支援したのは中国の北斗測位システムです。

 「深中通路」の海底トンネルは、世界で最も長く最も幅が広い両側8車線の鋼殻コンクリート沈埋トンネルであり、設置作業には2年間余りがかかりました。長さ6.8キロのトンネルに使われる32のケーソン(トンネル本体の枠・沈埋函)は、一つずつ海底に沈めて設置されました。ケーソンは一つ当たりの重量が8万トンで、海底に掘った溝に精密に沈めて設置され、さらに前後のケーソンを密着させて接合する必要があります。

 海底での作業である関係で、沈埋設置作業の時間帯は、月に2回しかありません。しかも、深さ数十メートルの海底での長さ160メートル余り、幅46メートル、高さ10メートルのケーソンの設置には、わずか5センチの誤差しか許されません。まさに「海底の針に糸を通す」ような精度が求められたわけです。少しでもずれがあれば、次の作業に支障が出て、工事全体が進められなくなります。

 そこで、建設チームは陸上、海上、ケーソン上において、1000回以上に及ぶ検証試験を実施し、最終的に船上の北斗衛星アンテナと周辺の参考基地局との協働作業で、ケーソンの相対測位を行い、ミリメートル級の精度を達成しました。水中に沈めたケーソンは、位置や状態などがはっきりとディスプレイに表示されました。北斗システムの安定性と信頼性によって、同プロジェクトは高水準かつ効果的に完成されました。(Lin、鈴木)

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