中国の水産物養殖量が世界の4割超 魚の顔認証も実現

2023-11-03 12:38:04  CRI

アジア最大の深海スマート養殖用ケージ「経海001号」

 中国は世界一の漁業大国であり、水産物の養殖量は世界のほぼ4割を占めています。ここ数年は、深海漁業が伝統的な近海養殖よりも急ピッチで進められており、技術面で新たな試みが次々と行われています。

 世界初の10万トン級スマート漁業大型養殖船「国信1号」は、沿岸から100海里離れた深海域で水産類を養殖し、フウセイなどの生息に適した水温や水質環境を求めて船が移動することで、年中無休で養殖を行うことができることから、「移動する洋上牧場」とも呼ばれています。

 同じく深海養殖の試みとして、中国東部の山東省煙台市では、12級の台風(風速37.4~41.4m/s)にも耐える、アジア最大の深海スマート養殖用ケージ「経海001号」が収穫期を迎えており、全国各地から殺到するバイヤーから「予想以上の品質だ」と高い評価を受けています。

 「経海001号」の養殖ケージは長さ68メートル、幅68メートル、7万立方メートルの海水を収容し、約1000トンの魚を同時に養殖できます。また、水中生物識別システムが導入され、魚の「顔認証」が可能です。魚の体長、体重、顔の特徴などをリアルタイムに検出して魚の健康状況を自動的に分析し、それに基づいて餌の量が計算され、自動投与システムによって餌の量を正確にコントロールできます。

 過去には、漁民の暮らしは気象条件頼みでしたが、現代漁業の発展に伴い、スマート深海養殖でも魚の状態を随時把握できるほか、過去のデータを知ることもできます。それぞれの魚ごとに独立したQRコードが付されており、消費者の食卓に乗るまでのすべての過程をさかのぼることができます。(Lin、坂下)

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