【CRI時評】「共通の安全保障」に至る道とは? 北京香山フォーラムが思考方式を提起

2023-11-01 16:18:14  CRI

 北京で開催されていた第10回「北京香山フォーラム」が10月31日に閉幕した。同フォーラムでは100余りの国や地域、国際機関の代表1800人余りが「共通の安全保障、恒久平和」というテーマをめぐって対話や交流を行った。参加した代表の数と地位はいずれも過去最高だった。

 北京香山フォーラムがオフラインで開催されたのは4年ぶりだった。ウクライナ危機やイスラエルとパレスチナの紛争を背景に、フォーラムの「人気ぶり」は、安全保障問題を共に探求し、交流と対話を増進したいという願いが凝縮されたものだ。

 中国が提出したグローバル安全保障イニシアチブはすでに、100以上の国と国際組織が積極的な反応を見せた世界の安全保障ガバナンスの重要な解決案となっている。北京香山フォーラムはグローバル安全保障イニシアチブを実行する重点的なプラットフォームかつ重点的なメカニズムとして、「共通の安全保障、恒久平和」をテーマとして、このイニシアチブの理念の核心を体現し、各方面が安全保障の問題を解決し、協力を促進するきっかけを提供している。

 言うまでもないことに、大国は世界の平和と安全保障で特殊で重要な責任を担っている。フォーラムに出席した米海軍分析センターのデイビッド・M・フィンケルスタイン副総裁は「私は中米間の軍事(協力)関係を再開する必要があると考える」と述べ、中米両国の軍の関係は世界にとって重大な意義があるとの見方を示した。

 北京香山フォーラムには一貫した鮮明な特色がある。より多くの発展途上国が「マイク」を手にし、「発言権」を享受できるようにしたことだ。フォーラムでは、全体会議で発展途上国のグローバル安全保障における役割を検討し、さらに発展途上国の合理的な懸念と要望を反映する「グローバルサウス」、「BRICS諸国の『拡大』」、「『一帯一路』関連地域の安全保障」といった議題の分科会も設けられた。

 「テーブルについて心穏やかに話すチャンスの提供」は、人々の北京香山フォーラムに対する印象だ。共通する安全保障に至るためには、対話と協議を通じて平和的な方法で国家間の意見の相違と紛争を解決することを堅持することが非常に重要だ。出席した専門家は、「香山フォーラムは個々の西側大国が他国の観点を十分に理解し、他国の声を聞くことを可能にする。これは世界各国が協力とウィンウィンの方向に向けて努力する上で重要だ」との見方を示した。

 また、安全保障の内包と外延が豊富になるにつれ、サイバーセキュリティーやバイオセキュリティーなど従来はなかった安全保障問題への注目が高まりつつある。「共通の安全保障」を実現するには、伝統的安全保障と非伝統的安全保障の両立が必要である。今回の北京香山フォーラムで人工知能(AI)に特化した議論が行われたことは、ニューテクノロジーがもたらす非伝統的安全保障上の脅威に脚光を当て、世界におけるさまざまな問題の長期的な解決の道を探るものだった。

 今年の第10回北京香山フォーラムは、中国が人類運命共同体を構築する理念を打ち出してからちょうど10周年に当たる年に開催された。複雑で厳しい国際情勢の下で人々は、安全保障が発展の前提であり、人類は切り離すことのできない安全保障の共同体であることをますます意識するようになった。世界にとって今回のフォーラムによる「共通の安全保障」への呼びかけは、考えを巡らすに価するものだ。(CRI論説員)

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