【観察眼】平和と協力発展こそが真の民意

2023-10-16 14:37:31  CRI

 このところ、日米は軍事同盟強化に向けた動きを活発化させている。

 今月初め、日米の防衛相が会談し、相手のミサイル発射基地を攻撃できる「反撃能力」の効果的運用を加速させるため、日本が1年前倒しで、2025年度から米国製長距離巡航ミサイル「トマホーク」を取得することで合意した。射程距離1600キロにも及ぶトマホーク取得の動きに対し、日本メディアは以前から、これは日米軍事同盟を強化する「重大なシグナル」で、日本の安全保障政策は戦後の「軽武装路線」を改めようとする重大な変更に直面していると評してきた。

 日米の防衛相は会談の中で、彼らがいう「台湾海峡の平和と安定の重要性」から、「日米安全保障条約第5条が釣魚島に適用される」ことまで、中国の利益に関わる敏感な問題についても改めて確認しあった。これに先だって、今年の年頭、日米両国政府は、米軍がアジア太平洋地域における装備や軍の見直しを計画しており、2025年度には新たな海兵隊の部隊「MLR=海兵沿岸連隊」を沖縄に配備する予定であると発表した。

 日米両国政府のこうした動向が地域情勢をきな臭いものにしている。しかし、こうした動きとは対照的なのが、最新調査で明らかになった民意である。中国外文局と日本の言論NPOが共同で実施した中日関係にフォーカスした世論調査で浮き彫りになったのは、平和と協力発展こそが中日両国の国民の共通の声だということだ。

 調査結果によると、「日本と中国が今後、日中両国やアジアの将来に向けて最も協力すべき課題」という質問で、両国の回答者から選ばれたキーワードの上位1、2位は「平和」と「協力発展」だった。「気候変動」「核兵器拡散」などの地域や世界的課題に共同で対応するべきという声が最も多かった。これは、中日双方の国民がいずれも平和を愛し、地球という人類共通の住処の中で共生し、共に発展していくことを切に望んでいることの表れと読み取れるだろう。

 近年、米国の誤った対中政策の下で中米対立が激化している。これを背景に、米国を追随する日本政府はしきりに「中国脅威論」を鼓吹しては軍事力増強路線に走っている。こうした動きに対し、両国の回答者はいずれも、中米関係が中日関係にもたらすマイナスの影響を懸念する回答になっている。中でも中国の回答者の多くが「中米対立の影響を最小限に抑え、中日協力を促進する」ことを望んでいるのに対し、日本の回答者は自国の外交政策について「バランスのとれた、中立性を保って欲しい」「どちらかにつくのではなく、世界の協力・発展に貢献してほしい」という声が最も目立っていた。

 岸田文雄首相は昨年末、防衛力の抜本的強化と、それを補完する取り組みのための経費を合わせて、国内総生産(GDP)比2%とする方針を明示した。それに合わせて、防衛費は2023~27年度の5年間の総額で前回計画の1.6倍に相当する43兆円まで増やすという計画を発表した。日本の軍事化加速の動きには歯止めがかかりそうにない。

 折しも今年は中日平和友好条約調印45周年である。国交正常化以来、平和に根ざした両国の交流関係は双方に互恵ウィンウィンの成果をもたらしている。果たしてこのまま軍事化の道を突き進んで良いものなのか。日本政府には、平和と協力発展こそが真の民意であることを忘れないでほしい。(CMG日本語部論説員)

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