【CRI時評】パレスチナ問題 「二国家解決」が唯一無二である理由

2023-10-15 12:34:34  CRI

 パレスチナとイスラエルの今回の衝突は発生から1週間が経過し、双方の死者は3500人を超えた。ガザの人道状況が急激に悪化していると、国連は警告している。

 なぜパレスチナとイスラエルの衝突は繰り返されるのか。その根源は、パレスチナ独立国家樹立の宿願が遅々として実現せず、パレスチナ人が被ってきた歴史的不公正が是正されていないことにある。今回の衝突の発生は、「一国家解決」が通用せず、衝突のサイクルに陥らせるだけで、「二国家解決」こそがパレスチナ問題解決への根本的な道であることを改めて証明した。

 国際社会公認の「二国家解決」とは、1967年の国境に基づいて東エルサレムを首都とし、完全な主権を有する独立したパレスチナ国家の樹立を指す。その実現に向けた重要な条件は、双方が「土地と平和の交換」原則を堅持し、特定の土地の所有権を譲渡することによって、永続的かつ公正な平和を得るというものだ。

 新たな衝突の発生を受け、ますます多くの人が、「二国家解決」について、次のように意識するようになっている。それは「多くの試練に直面しているものの、パレスチナ問題の解決に向けた国際社会の合意が得られた唯一の解決策である」ということだ。1948年の第一次中東戦争発生以来、国連はパレスチナ・イスラエル問題に関して多くの決議を可決してきたが、その核心は皆、「二国家解決」に基づいた平和の実現だ。

 イスラエル国内には、「一国家解決」と「多国家解決」を求める声があるものの、大多数の国民は依然として「二国家解決」がパレスチナとの平和共存を実現する唯一の可能性であると信じている。独立したパレスチナ国家の樹立という目標から離れれば、衝突の長期化は必至だ。

 大多数のアラブ諸国は、「二国家解決」の下で確立されたパレスチナとイスラエルの永続的かつ公正な平和がアラブ・イスラエル関係正常化の前提条件だとの認識を示している。アラブ連盟は11日、カイロで緊急の会合を開き、イスラエルに対し、「二国家解決」交渉に復帰し、パレスチナ人に存続可能な国家を提供するよう求めた。ヨルダンのアブドッラー2世国王はこのほど、独立したパレスチナ国家なくして中東和平は実現不可能であり、「二国家解決」が唯一の選択肢だと表明した。

 最新情報によると、中国政府の中東問題特使が近々、状況の沈静化を図るため関係国を訪問する予定だ。同時に、中国は国連の主導の下で国際平和会議を速やかに開催するよう呼び掛けた。「二国家解決」は、道のりが険しくて長いが、国際社会の共通認識であり、それを進めるための正しい道は、速やかに和平交渉を再開することで、各種の和平推進メカニズムが積極的な役割を果たさなければならない。「二国家解決」が完全に実行に移されて初めて、中東は真の平和を迎えられる。(CRI論説員)

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