北京
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杭州アジア大会競泳女子50mバタフライ金メダリストの張雨霏(真ん中)と銅メダリストの池江璃花子(右)
白血病との闘病を経て国際試合に復帰した日本の池江璃花子選手が、9月29日、杭州アジア大会の競泳の最終日に表彰台に上がりました。池江選手の右腕には、かわいいパンダの人形が。これはライバルでもある中国勢の張雨霏選手からのプレゼントでした。
中国女子競泳のエースである張雨霏は「アイアンウーマン」と呼ばれ、今回の杭州アジア大会で6冠を達成しました。笑顔を絶やさない張選手ですが、今大会では競泳の最終日にめずらしく号泣する姿を見せました。それは、自分のためではなく、ライバルである池江選手のための涙でした。
数多くの競泳ファンと同じく、張選手もまた、池江選手の復帰を心から待っていました。池江選手との試合がある時には、張選手は必ず彼女と抱き合って激励のことばを送ります。世界水泳選手権2023福岡大会では、張選手は手のひらに「be the best of yourself(最高のあなたでありますように)」と書いて池江選手にエールを送りました。
そして、9月29日、杭州アジア大会競泳女子50mバタフライの決勝で、張選手は大会新記録を作って金に、池江選手は銅に輝き、2人とも表彰台に上がりました。
表彰台を降りた張雨霏と池江璃花子は抱き合って泣いた
「表彰台で『池江璃花子』という名前が呼ばれた瞬間、胸がいっぱいになり、涙がこみ上げた。表彰式の途中だから我慢したが、表彰台を降りたら涙が止まらなくなった。彼女と抱き合って、『泣かないで』と言いながら、一緒に泣いた」と、張選手は振り返りました。
実は、今回の試合の前に、張選手は池江選手へ中国らしいプレゼントを贈りたいと考え、ネットユーザーからのアドバイスを募集するなどしていました。最終的には、池江選手が杭州での取材で「中国のパンダが大好きだ」と語っていた様子を見て、パンダグッズを贈ることを決めました。
「試合は毎日あるので、買い物に行く時間もなく、大きなパンダは用意できなかった。とりあえず、自分がいつも着けている、大好きなパンダの髪飾りを送った」と、張選手は照れながら言いました。
そして、表彰式で2人はそろってパンダの飾りを着けました。張選手は頭に、池江選手は右腕に。また、表彰式の後、2人が抱き合って泣いていると、競泳会場では表彰式専用のBGMが急に停止し、日本のバラードが流されました。会場のスクリーンに池江選手の栄光を記録したスライドショーが投影され、会場全体が彼女の復帰を祝福するムードになりました。
池江選手はその後の取材で、「アジア女子競泳に張雨霏さんのような選手がいることを大変うれしく思う。これからも頑張って、彼女を追いかけていく」と抱負を語りました。(Lin、謙)