家庭向け害虫駆除代行業が旺盛な伸び ただし労働力不足が100万人に

2023-09-25 12:25:13  CRI

 中国では一般家庭向けに害虫などの防除や駆除サービスを提供する人が「除虫師」と呼ばれ、2007年には新しい職業として「国家職業技能目録」に登録されました。その定義は、「人類の健康を害し、人類の生活と仕事に悪影響を与え、経済損失をもたらす有害生物の防除と抑止に従事する人員」です。中国では近年、消費がグレードアップする流れの中で市場の細分化が進み、害虫の防除や駆除のサービスも急速に一般家庭の消費支出の対象になりつつあります。そのことで、専門の職業技能を備えた若者がこの業種にどんどん参入してきました。

 中国では有害生物防除市場の規模が毎年25%以上の成長を続けており、2022年には約350億元(約7100億円)に達しました。害虫駆除サービスが一般家庭に急速に浸透し、新たな消費の対象になったことで、プロの「除虫師」という職業が就業の新たな選択肢として注目されています。生活関連サービス事業などを展開するIT大手「美団」の調べでは、同社プラットフォームには今年6月末時点で、「出張殺虫」サービスを提供する専門業者が数千社規模で掲載されています。業者数は2020年比で13倍にもなり、注文数は約29倍になりました。業者で30歳以下の従業員が占める割合は38%です。

 上海では、毎年5~7月がシロアリ多発の時期です。シロアリは木をかじったり、建物の床やドア枠などに被害を与えたりします。これまでは住民自身が殺虫剤を購入したり、家具を買い替えたりして対応するのが普通でしたが、今年の夏にはシロアリが例年よりも多かったこともあり、一部の消費者は専門の殺虫業者に助けを求めました。このことが、家庭向けの害虫駆除市場の急発展に拍車をかけました。

 中国最大の害虫等防除・駆除サービスの業界団体である「中国衛生有害生物防制会(CPCA )」の王新艶理事は、「国民全体に健康意識が高まるにつれ、害虫駆除代行は堅調な需要がある市場になった。特に過去数年は、家庭向け市場が伸びており、ダニ駆除など細分化された需要も出現した。産業規模は年間25%以上の伸び率を維持している」と説明しました。なお、中国では国内の家庭向け害虫駆除代行業の労働力不足は100万人に達しているという見積もりがあります。(Yan、鈴木)

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