北京
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中国の宇宙ステーションでは21日午後、中国人生徒のための「天宮教室」の4回目の授業が行われました。宇宙科学の知識を普及させる授業を担当したのは、宇宙ステーションに滞在中の神舟16号の景海鵬、朱楊柱、桂海潮の3宇宙飛行士です。
その一環として、朱楊柱飛行士が飲み水袋から少量の水を絞り出し後、それを小さな球体に整えました。地上では到底実現できませんが、宇宙ステーション内ならば比較的簡単にできる作業です。
宇宙飛行士が作ったミニ水球
桂海潮飛行士が普通の卓球ラケットで水球を打つと、水球はラケットの表面に付着してしまいました。しかし朱飛行士がラケットの表面をスポーツ用の汗拭きタオルで包んでから打つと、水球は破裂せず、タオルの表面に付着することもなく、卓球ボールのようにはねかえりました。
ラケットにぶつかる直前の卓球ボール代わりの水球(左側の宇宙飛行士)
宇宙飛行士2人はラリーを楽しみ、「宇宙での卓球試合はとても面白いですよ。もちろん卓球ではなく水球ですけどね」と紹介しました。
「宇宙ステーションで卓球ができる」謎を解いてくれたのは朱飛行士でした。朱飛行士は、水球はそもそも、表面張力により破裂しにくく、タオルの表面には加工により撥水性(はっすいせい)がある微毛がびっしりと立っているために、水をはじく性質があると紹介し、さらに「このような疎水構造の処理技術は繊維工業ではよく見られます。皆さんが着ているアウトドアジャケットや速乾ウェアにはいずれも、この技術が使われています」と説明しました。(朱、鈴木)