中国北周初代天王の陵墓が陝西省で発見

2023-09-21 11:21:02  CRI

 中国西部・陝西省の考古研究院が19日に明らかにしたところによると、陝西省咸陽市で北周時代(557~581年)の初代天王・宇文覚(孝閔帝)の墓が発見され、陶製人形などの副葬品146点(セット)が出土しました。宇文覚の陵墓が発見されたのは咸陽市渭城区周陵街道北賀村で、一帯には北朝(439~581年)から隋・唐時代(581~907年)の格式の高い古墳が集中的に分布しています。陵墓は南向きで、南北方向の全長は56.84メートル、墓室の底から現在の地表までの距離は10メートルあり、北周時代の中規模の墓となっています。

 この陵墓はかつて盗掘されたことがあり、新たに出土した146点(セット)の副葬品は各種の小型の陶製人形がメインとなっています。墓誌は無地の方形で墓室入口の東側に置かれており、正面には楷書で「周故略陽公宇文覚墓二年十月壬申」と記され、赤い朱砂で縁取りされています。墓誌の内容から、墓の主人は北周時代の初代天王である孝閔帝宇文覚(542~557年)であることが確認されました。

 北周は中国の歴史上、南北朝の北朝の一つで、後周とも呼ばれ、五人の天王を経て24年間存続していました。

 『周書・孝閔帝紀』によれば、宇文覚は宇文泰の嫡子として生まれ、9歳で西魏の略陽郡公に封ぜられ、557年に西魏皇帝から禅譲を受けて天王として即位しましたが、間もなく殺されて崩御しました。

 陝西省考古研究院の趙占鋭アシスタント研究員は、「北周宇文覚陵墓の発見は考古学的に重要な意義を持っている。これは北周の武帝孝陵墓に続き、考古学的発掘が行われた2基目の北周時代の皇帝陵墓だ」と述べました。宇文覚が「略陽公」として埋葬されたことは、北周初期の激しい政争に実際の証拠を提供するものであり、北朝の史料を補足するほか、埋葬場所が確定したことも北周のその他の帝陵の分布に重要な手がかりを提供するものだということです。(ZHL、坂下)

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