IT企業従業員が自殺 「会社は社員のメンタルヘルスに責任を持つべきか」に注目=中国

2023-09-20 11:23:05  CRI

 中国で最近、ポータルサイトなどを運営する大手IT企業「網易(ネットイース)」従業員の自殺が世間の注目の的になっています。

 消息筋によりますと、この従業員は、仕事上の手違いで会社の人事担当者に脅迫され、自殺したということです。ネット上に流れている画像から、この従業員がうつ病を患っていたことが判明しました。ネットイースの社内メールによりますと、「特別調査チームはこれまでのところ『人事担当者による脅迫行為』に関する動機や証拠を発見しておらず、今後の調査で脅迫行為があったことを示す証拠が見つかれば、関係者を厳正に処分する」とのことです。 

 この件はネット上で多くの人々から関心を寄せられ、「会社は社員のメンタルヘルスに責任を持つべきか」「会社は社員のメンタルヘルスにどのように責任を負うべきか」など議論が巻き起こっています。

 北京のある法律事務所のパートナー弁護士によりますと、「人事担当者による脅迫行為」が存在する場合、具体的な「脅迫行為」に基づき、その行為につながる理由の正当性や方式の合法性、深刻さの合理性などを判断した上で、「脅迫行為」が民法上の権利侵害に当たるか否か、当該行為と従業員の自殺の結果との間に法律上の因果関係が存在するか否かを総合的に判断する必要があるということです。権利侵害になる場合、人事担当者の行為は職務行為に該当するため、ネットイースが権利侵害の責任を負うことになり、会社から自殺した従業員の遺族に対して賠償を行わなければならないということです。また、人事担当者の「脅迫行為」について、会社が社内規則の管理制度に違反していると認定した場合、社内制度に基づいて労働契約を解除することができます。ただ、本件における「脅迫行為」は、刑事犯罪における脅迫とは異なり、職場での「パワハラ」に該当するということです。 

 従業員が「パワハラ」に遭った場合、法的手段に訴えることはできるかも関心を集めています。

 中国では現在、「パワハラ」は法律上、明確に定義されていませんが、職場で暴力や脅迫、人身拘束、侮辱、誹謗(ひぼう)、殴打、セクハラ、残業の強要、強引な飲酒勧誘などが発生した場合、従業員は刑法、治安管理処罰法、労働法、労働契約法、民法典などの法律規定に基づき、警察への通報や労働監督部門への相談を通じて、賠償を請求することができます。

 また、ネットイースによりますと、この従業員は、うつの傾向にあり、ここ数週間は不眠に苦しんでいたことを自ら明かしていたということです。しかし、精神疾患やメンタルの問題はまだ職業病の範ちゅうに組み入れられておらず、労災に該当するかどうかは法曹界で議論も多いのが現状です。

 ネットイースは、従業員が自宅で亡くなったことを受け、特別支援基金や特殊商業保険の請求などを開始しました。同時に、従業員の子どもの教育費を22歳で大学を卒業するまで支援することも約束しました。(ミン・イヒョウ、柳川)

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