中国福建省で翼持つ恐竜の化石発見 鳥類進化の謎に重要なヒント

2023-09-08 12:32:42  CRI

 中国科学院古脊椎動物・古人類研究所と福建省地質調査研究院がこのほど、中国南東部の福建省で恐竜の化石を発見しました。福建省での恐竜の化石発見は初めてです。この化石は今から1億4800万年~1億5000万年ぐらい前の後期ジュラ紀に、恐竜の生息地とされる地域の最南端に生活していた翼を持つ恐竜であることが確認され、「奇異福建竜」と命名されました。この研究成果は6日、国際的に権威ある科学誌の「ネイチャー」に掲載されました。

△(上)福建省で発見された恐竜の化石(下)復元された恐竜

 化石は2022年10月に福建省北部の政和大渓盆地で発見され、研究チームは約1年に及ぶ修復と分析を経て、発見されたのは新種で、前肢が始祖鳥に似ており、後肢が比較的細長く、体は恐竜より小さく鳥類より大きくて、走ることが得意で、水辺に生息していた可能性のある小型の獣脚類恐竜と結論づけました。

 研究者によると、世界でもジュラ紀の翼を持つ恐竜の化石が発見されたのは非常にまれで、「奇異福建竜」が発見されるまでは、中国遼西または河北地区で発見された燕遼生物群とドイツのゾルンホーフェンの化石群しかありませんでした。ジュラ紀世界の古地理の復元により、「奇異福建竜」は最も南の地に生息していた恐竜の化石であることが分かりました。「奇異福建竜」化石の発見は、鳥類の起源と進化の研究に重要な情報を提供するとみられます。(ZHL、鈴木)

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