【CRI時評】駐日米国大使の試食ショー、日米の海洋破壊行為が露わに

2023-09-02 17:22:45  CRI

 米国のラーム・エマニュエル駐日大使は8月31日、福島を訪問し、現地で水揚げされた海産物を食べた。日本の放射能汚染水の海洋放出を支持する姿勢を示した。だが、皮肉なことに、日本の農林水産省のデータによると、米国は今年上半期に日本の農林水産品の輸入を最も減らした国で、減少が最も多い3つの品目の主な生産地はいずれも放射能汚染水放出の影響を受ける地域にある。

 実は、米国が日本の海洋放出を容認しているのは、自らが海洋環境破壊者であることと大きく関係している。

 米国の「ロサンゼルス・タイムズ」紙は、米軍が大量の化学物質を海洋投棄したことを明らかにした。1944年から1970年の間に、米軍は2.9万トンの神経ガスとマスタードガスと、500トンを超える放射性廃棄物を海洋投棄した。英国の「ガーディアン」紙は今年3月、米カリフォルニア州の工業企業が長年にわたり、農薬DDTを含む有毒化学廃棄物を付近の海域に投棄していたことを明らかにした。この物質は人体、動物、環境に大きな損害を与えるため、米国など多くの国で使用が制限されている。だが、米政府の放任または黙認のもと、カリフォルニア州の工業企業は海洋投棄を続けている。数十年経っても、これらの農薬が分解されておらず、汚染した海域はサンフランシスコ市よりも広いことが特定された。

 これに加えて、米国は世界の海洋プラスチックごみの主な「製造者」でもある。世界的な学術誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」の研究レポートは、米国は2016年だけで4200万トンのプラスチックごみを生み出し、同ごみが世界で最も多い国となっている。そのうち、わずか9%しかリサイクルされておらず、約150万トンのプラスチックごみは川や湖、海岸にそのまま投棄され、海洋に流入している可能性が高いと指摘する。また、米国はこれまで「国連海洋法条約」、「有害廃棄物の国境を越えた移動及びその処分の抑制に関するバーゼル条約」、「生物多様性条約」を批准していない。米国は石油や天然ガスの掘削などビジネス活動の障害を取り除いたとの見方が出ている。

 さらに踏み込んだ理由も指摘されている。それは、米国の放任姿勢の背後には、日本との間で経済的利益と地政学的利益との交換があるからとみられている。

 第二次世界大戦後、米国は原子力の軍民利用政策を推進し、福島第一原発は日本が米国の民生用原発技術を利用した最初のプロジェクトとなった。現在も日米は民生用原子力プロジェクトでさまざまな協力を行っている。

 それ以外にも、米国にはより大きな利益交換カードがある。2011年の福島原発事故後、米国と日本は、米原子力委員会、エネルギー省などによる日本への技術支援や軍の相互援助プロジェクトを含む震災復興で合意に達した。痛ましい原発事故が、なんと両国の協力の「チャンス」になったとは誰が想像できただろうか。日本は米国の力を借りて海洋放出の国際的な支持を得ようとし、米国はこのチャンスを利用して日本での軍事覇権を守り、日本がさらに腰を据えて「インド太平洋戦略」のお先棒を担ぐようにしている。

 事実を前にして、米国大使の福島での試食ショーは、日本の汚染水放出計画を「正当化」できないだけでなく、海洋環境を破壊する米国と日本の極めて悪質な行為をあらわにし、米国と日本がアジア太平洋を混乱させる悪しき下心をあらわにした。これは域内諸国が警戒を厳にすべきことだ。(CRI論説員)

 

 

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