韓国コスメが中国市場で人気下火 「国潮」ブランドが独走

2023-08-23 12:23:04  CRI

 韓流文化から大きな影響を受けてきた中国の80年代生まれ・90年代生まれの若者の間では、韓国ドラマの大ヒットに伴い、韓国のコスメブランドも一時、中国市場で大きな存在感がありました。しかし近年、様子が一変。韓国コスメは実体店舗の急減に従ってコマーシャルやキャンペーンも一気に姿を消しました。

 中国税関総署によると、2015年の韓国からの化粧品類の輸入額は前年比1623.88%増の49億8900万元(約997億円)でした。2015年、韓国は中国の化粧品輸入国としてフランスに次いで2位となり、3位は日本でした。

 しかし、韓国コスメブランドが中国市場で存在感を放ったのもつかの間。2016年以降、「韓流」ブームが急速に冷え込み、それに伴い、中国の一部の消費者の韓国ブランドに対する消費意欲も低下しました。中でも、代表的だったのが韓国コスメでした。同時に、多くの韓国コスメブランドでは、成分から黄色ブドウ球菌や基準値を超える13種類の重金属が検出されるなど、品質に大きな問題が発覚したことも泣き面に蜂でした。その影響で、2019年の韓国コスメの中国での売り上げはわずか15.3%増にとどまり、2022年には対中輸出がマイナス成長へと転がり落ちました。

 韓国コスメの人気が下火になる一方で、「国潮(中国的要素を取り入れたファッショントレンド)」ブランドをはじめとする国産コスメブランドはチャンスをつかみ、急成長を果たしました。

 中国では2018年前後に「網紅経済(中国で動画やライブ配信を中心に活躍したユーチュバーやKOLが社会で絶大な影響力を持ち、莫大な経済効果を生む現象)」が台頭し、小紅書(レッド)や抖音(中国版TikTok)などの動画配信アプリをプラットフォームとして、完美日記(パーフェクトダイアリー)や花西子(フローラシス)に代表される国産コスメブランドが急速に人気を集めました。2019年にライブ配信に人気KOLを多数起用したことが国産ブランドの人気急上昇につながりました。

 中国では2022年に約半数のコスメ消費者から「国潮」ブランドを支持する声が上がっており、「国潮」ブランドはコストパフォーマンスの高さ、SKU(最小在庫単位)の豊富さ、中国人の美意識に見合ったデザイン性により、かつての韓流コスメに取って代わり、「国潮ブーム」を生み出しました。

日本に出店した国産コスメブランドの酵色(JOOCYEE/ジューシー)

 近年、滋色(ZEESEA/ズーシー)、酵色(JOOCYEE/ジューシー)、花知暁(フラワーノーズ)、花西子(フローラシス)など多くの国産コスメが相次いで日本に上陸し、特に日本の若い女性の間で注目される存在になっています。日本メディアも、中国コスメは色彩が濃く、パッケージが華やかで、デザインに工夫が凝らされ、新鮮さに満ちていることが特徴で、日本の若者の間で急速に人気を集めていると取り上げています。(ミン・イヒョウ、藤井)

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