【CRI時評】米国が狙う「アジア太平洋ミニ版NATO」は見果てぬ夢

2023-08-21 17:34:53  CRI

 北京時間19日、ハワイの山火事と噴煙を背景に、キャンプデービッドでの米日韓第1回サミットが閉幕した。発表された3つの声明文は台湾海峡、南海などの議題を取り上げ、「安全への不安」を大安売りして各方面に「脅威への対応」を扇動し、中国の内政に公然と干渉した。米国は口では「中国を対象にしない」と言いつつ、行動は実に「誠実」だ。

 キャンプデービッドは、米国の「リゾート地外交」の重要な場所だ。今回、日韓というアジアの「弟分」2人をここに引き連れて会議を開いたことについて、米国側の意図は容易には推測できないが、短期的には「アジア版NATO」を一歩も進められていないため、特別な外交的礼遇によって日韓を抱き込み、まずは「ミニ版NATO」を作り、いわゆる「インド太平洋戦略」を推進しようとしたことが見て取れる。

 では、今回のサミットは米国が「アジアの小さなNATO」を作るという目標を実現する助けに本当になるのだろうか。成果文書そのものを見ると、アイデアは多いように見えるが、実際には具体的な道筋や計画に欠けている。来年から日米韓で大統領選や総選挙が相次いで行われることを考えれば、このサミットは日米韓3国の「政治ショー」であり、成果文書は選挙政治に迎合する象徴的な宣誓に見えるとの分析もある。

 参加国の関係を見ると、日韓はともに米国の同盟国ではあるが、実際には3カ国にそれぞれの目論見があり、調整が難しいという矛盾がある。日本としては「アジア太平洋のミニ版NATO」を作ることで「平和憲法」の束縛から脱却し、「軍事大国の夢」を実現したいが、中国との緊密な経済の結びつきを考慮せざるをえない。中国は現在、日本にとって最大の貿易相手国だ。中国にひたすら対抗することは、日本の利益にならない。

 韓国としては、3国同盟の力を借りて、いわゆる「グローバル中枢国家」になることを望んでいるが、韓日関係は依然として3国関係の「弱点」だ。韓国の現政権は、国家の尊厳と国民感情を犠牲にしてまで日本との関係を改善しているが、両国国民の間には深刻な対立感情が残っている。

 米韓の間には同様にわだかまりがある。米国で可決された「チップと科学法」と「インフレ抑制法」は、韓国経済の命脈である半導体や電動自動車(EV)などの新エネルギー車産業に大きな影響を与えている。日米韓のそれぞれが自らの利益の最大化を断念して矛盾を解消し、協定を結んで協力できるかどうかには、大きな疑問符がつく。

 さらに重要なことは、米日韓キャンプデービッドサミットは表面上は協力についての話し合いだが、実際にはアジア太平洋に危機を作り出すものだったことだ。米国は「アジア太平洋ミニ版NATO」を取りまとめようとしているが、見果てぬ夢だ。平和と求め、発展を求める地域諸国の人々の基本的な求めに背反しているからだ。平和を愛する国と地域の民衆は、分裂と対立をもたらすいかなる「小サークル」に対しても、断固として抵抗することになる。(CRI論説員)

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