日本の在重慶総領事 中国の文化財保護の姿勢を高く評価

2023-08-20 13:32:32  CRI

 「気候変動下の石窟寺院保護」をテーマとする第1回石窟寺院保護国際フォーラムが18日から重慶市大足で開かれています。開幕式に出席した日本の高田真里在重慶総領事はフォーラムの意義を高く評価し、文化財保護における一層の国際協力に期待を寄せました。

 高田総領事は19日、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の取材に対して、酷暑や水害などの世界的に異常気象が多発している中、気候変動に焦点を絞った今回のフォーラムのテーマ設定は時宜に適ったものとの見方を示しました。

フォーラムの開幕式後にCMGの取材を受ける高田真里日本国在重慶総領事(9月19日撮影)

  フォーラム開幕式では、大足石刻研究院とパキスタンのペシャワール博物館との協力提携協定の締結式が行われ、文化財保護における国際協力を重視する姿勢が示されました。高田総領事はこの動きを高く評価し、「文化財は世界共通の遺産であり、(その保護には)世界の知恵を借りる必要がある。気候変動という新しいテーマに対しては、保存技術を競いあうように全世界が協力していく必要がある。これからは、中国が持っているものを世界に渡して、世界からまた改めて学ぶといった相互交流が重要になると思う」と述べました。

第1回石窟寺院保護国際フォーラムの会場(8月19日撮影)

  高田総領事は、文化財所在地で保護のために公園を作り、入園者の移動にエコエネルギーを使用するバスを走らせるなどの中国の取り組みや、保護・修復現場における多様な技術の応用に言及して、中国の文化財保護分野での意識の高さや収めた成果を高く評価しました。その上で、「日中両国はいずれも、仏教が栄えて素晴らしい世界的な文化財がある国だ。文化面での協力は交流にも資する。日中関係、ひいてはアジア全体、世界全体にも貢献をしていくべきだ」と、今後の一層の交流増進に期待を寄せました。

 なお、大足石刻研究院の国際協力は2007年のイタリアとの提携で始まりました。日本との間では2022年3月に大足石刻研究院と復旦大学、奈良文化財研究所が協定書を締結し、科学技術を活用した石窟寺院の保護及び予防性保護をテーマに、5年間にわたる共同研究が進められているとのことです。


大足石刻・宝頂山景勝区(8月19日撮影)

 大足石刻とは重慶市大足区内の5つの山に分布している石の彫刻や石像の総称で、1999年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。これまでに発表された石刻は75カ所、石像は約5万件に上ります。(記事&写真:王小燕、校正:鈴木)

ラジオ番組
KANKAN特集