北京
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中国ではいつの頃からか、マッサージ店の客層が中高年層から若者に変わってきました。足裏マッサージから抜缶(ばっかん、瓶を用いた減圧吸出し)、刮痧(かっさ、平たい用具を使っての皮膚直下からの毒素かき出し)、全身マッサージまでサービスの種類は多く、また、高級な健康施設から、庶民向けの住宅街のフットマッサージ店まで、さまざまな形のマッサージ店が雨後のタケノコのように街の至るところに出現しました。
中国最大級の口コミサイトの「大衆点評」で「酒場」の語で検索すると約2万9000件がヒットしますが、「マッサージ」で検索すると、その5倍に近い約13万4000件がヒットします。多くの若者が「ナイトライフ」を楽しむ場所を、騒々しい酒場からマッサージ店に変えて、リラックスした社交を体験しています。
若者がマッサージ店に行く主な目的はリラックスして疲れを癒すことです。26歳の楠(なん)さんは会社の行政秘書で、一日中パソコンに釘付け状態なので肩こりがどんどんひどくなっていました。そして3年前に友人に紹介されてマッサージを体験して以来、「やみつき」になりました。鵬さんはネットエンジニアで、週末にマッサージ店で友達に会ってリラックスすることが大のお気に入りの社交スタイルになりました。体に対するマッサージだけでなく、施術者の口からさり気なく出でる人生哲学などが、若者にとっての「心のマッサージ」になっているとのことです。
中国南部の広州市では、一般的なマッサージ店の料金は1時間で120元(約2400円)前後です。でも一部の若者は、プライバシーが守られて環境とサービスが良い高級マッサージ店を好みます。料金は1時間で200~300元(約4000~6000円)です。ただし多くの若者はやはり、「腕がよくて庶民的な店なら、毎週でも行きたい」と考えています。迪さんは、自宅近くのマッサージ店を利用しています。迪さんは「道端の視覚障害者が施術するマッサージ店は比較的安価で、1時間で80~90元(約1600~1800円)です。順番待ちの状態だったら、絶対によい店です」と話しました。(閣、鈴木)