北京
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23/19
日本自民党副総裁の麻生太郎元首相はこのほど、台湾地区を訪問し、台湾に「抑止力が必要で、日米や台湾には戦う覚悟が求められる」と述べ、大陸との戦争準備を煽り、各界から強い批判を浴びた。台湾の島内世論は、麻生氏が過去の日本による台湾植民地支配を謝罪しなかったばかりか、武力発展や戦争準備を促し、台湾の民衆を「火の中に追い込んだ」と批判している。沖縄県の玉城デニー知事は10日、麻生氏の発言は「従来の政府方針に反するという指摘がある。政府は誤った受け取られ方をしないよう、中国側と丁寧な対話を重ねてほしい」と述べた。
今回の麻生氏の台湾訪問は公然と「武力行使」を煽り、日本軍国主義の亡霊にとりつかれた危険な傾向を露呈した。麻生氏の「武力行使論」を聞いて、びくびくしたと語る島内の人々がいるのも無理はない。麻生氏の発言は、台湾が日本に植民地支配された半世紀の痛ましい歴史を思い起こさせるものだ。
日本は台湾の植民地化と中国侵略で重大な犯罪を犯したことから、1972年に発表された「中日共同声明」で、「日本側は過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」、「日本国政府は中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認し」、台湾が中国領土の不可分の一部であるという「中華人民共和国政府の立場を十分に理解し、尊重する」と表明した。
日本の元首相である麻生氏が、日本政府が中国側にした約束を知らないはずはない。だが、麻生氏の動きは流れに逆らうもので、植民者の傲慢な気持ちで台湾の事柄にあれこれ口出しし、一つの中国の原則と中日の四つの政治文書の精神に背く危険な発言をし、中日関係により多くの面倒を引き起こした。その背景には、「植民地コンプレックス」のほかに、現実的な意図もある。
昨年12月、日本は「安保3文書」を採択して米国とのベンチマーキングを積極的に追求し、台湾問題を誇大宣伝することで、防衛費を増やし、武力拡張するための口実を探った。今年7月に発表された新版「防衛白書」は、台湾海峡の緊張をさらに誇張し、防衛力強化について「国民の理解」を求めた。「台湾カード」が、日本の平和憲法からの脱却、軍事大国の夢の復活、日米同盟強化の重要な手段になっていることは容易にわかる。
日本の与党自民党の副総裁である麻生氏の今回の台湾訪問での「パフォーマンス」は間接的に日本政府のある動きを表しており、日本の右翼勢力が歴史を否定し、悔い改めるのを拒否する態度を代表している。だが、彼らは現在の国際情勢とパワーバランスを見落としている。現在は21世紀の第三の十年であり、中国はもう1895年の「馬関条約」(下関条約)に署名した清朝政府ではなく、日本側に台湾問題についてとやかく言う資格は全くない。もし日本の一部政治家の認識が100年以上前のままで、植民者のように中国の内政に手を出したなら、いずれ「火遊びの炎に包まれる」ことになるだろう。中国が国家の完全な統一を実現することは、阻むことのできない歴史的大勢である。(CRI論説員)