【CRI時評】米国の対中投資制限令は「ブーメラン」

2023-08-11 11:25:18  CRI

 バイデン米大統領は北京時間10日未明、米国の法人や個人による中国の半導体とマイクロエレクトロニクス、量子情報技術、人工知能(AI)分野への投資を制限する対外投資審査メカニズム設立の大統領令に署名した。

 米経済界はいち早く懸念を表明した。米半導体産業協会は意見をフィードバックするとして、最終的な規則では米国のチップ関連企業の「中国を含む主要な世界市場へのアクセス」が認められることを期待すると表明した。全米ベンチャーキャピタル協会も(NVCA)も、この大統領令が「米国企業の投資に想定外の結果」をもたらさないように注視していくと表明した。

 米国メディアによると、この大統領令の制定には2年近くを費やした。米国は5月に開催されるG7首脳会議の前後に発表されると吹聴していたが、その後は先送りを繰り返した。背後にあるさまざまなパワーゲームの激しさがうかがえる。アナリストは、この大統領令の発表は「政治のからくり」のようなもので、米国の病的な政治生態が反映されていると指摘した。すなわち、根深い「中国抑え込み」の考え方のもとで、対中強硬策が米国政府にとってのいわゆる「政治的正しさ」になっているという。米国によるこの対中投資制限措置は、実施されれば米国経済にさらに障害がもたらされ、米国自身に突き刺さる「ブーメラン」になると考えられる。

 米国資本の立場からすれば、この大統領令は米国資本を「イノベーションの源泉」である中国から隔離することになるだろう。また、この大統領令が実施されれば、世界の産業チェーン・サプライチェーンを混乱させることは必至で、米国自身にとっても百害あって一利なしだ。米国自身が市場の法則に反して人為的に「中国切り離し」を推進しているのに、米国だけが「いい子」でいられるわけがない。

 米政府が対中投資制限に踏み切ったことは、米国の信用を改めて著しく傷つけた。バイデン大統領は就任後に、中国に対して「五つの『ノー』と四つの『意図せず』」を約束した。「五つの『ノー』」とは(1)中国の体制変革を求めない、(2)新たな冷戦を志向しない、(3)同盟関係の強化で中国に対抗することを目指さない、(4)台湾の独立を支持しない、(5)「一つの中国・一つの台湾」を支持しないであり、「四つの『意図せず』」とは(1)中国との対立を意図しない、(2)中国との経済の切り離しを意図しない、(3)中国の経済発展の妨害を意図しない、(4)中国の包囲を意図しない――だ。

 そして今年になってからは、米国の複数の高官が相次いで訪中し、いずれも中米首脳のバリ島会談の共通認識を実行に移し、中国側と対話協力を展開すると表明した。しかし米国は現在、対中投資制限を実施して、中国のハイテクの発展を圧迫しようとしている。まさに大統領自身の約束やその他の高官の発言に逆行している。米国側の表明はまったくの口先だけのことで、信用できるものではない。

 米国の政治家たちには、「政治のからくり」の策に溺れず、業界の声をもっと聞き、経済法則を尊重する責任ある取り計らいをすることをお勧めする。米国が「中国を切り離して、産業チェーンやサプライチェーンを断つ」ことを強行しても、中国の発展を阻止することはできない。最終的には自らが投じたブーメラン」が突き刺さって、傷を負うことになる。(CRI論説員)

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