北京
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昨年、在日米軍横須賀基地で健康に危害を与える有機フッ素化合物「PFAS」を含む廃水が海に排出されたことが明らかになり、市民から徹底した調査が求められたにもかかわらず、調査はあっけなく片付けられました。これを受けて、地元の人々は7日、政府の不作為に抗議し、汚染原因の早急な究明を求めました。
横須賀市は昨年9月、防衛省南関東防衛局から連絡を受け、在日米軍が同年8月に調査したところ、横須賀基地から海に排出された廃水におけるPFASの濃度が基準値を超え、日本の国家基準の約170倍に達していることが判明したと明らかにしました。
PFASは分解しにくく、環境や人体に蓄積されます。専門家は、汚染された水を長期的に大量に飲用すれば、リプロダクティブ・ヘルスや児童の成長発育に影響を及ぼし、乳がんや前立腺がんなどの病気を誘発する可能性があると指摘しています。
横須賀市は米軍が有害物を排出していることに不満を示し、汚染原因について調査を求めていました。その後、米軍が関連調査を一方的に実施し、今年7月に横須賀基地の面積が広く、廃水の発生源が多いことから「汚染原因の判定は困難」と日本側に通告しました。米軍はまた、昨年11月に横須賀基地の廃水処理所にろ過設備を設置したことを明らかにし、排水について複数回の調査をおこなった結果、いずれも「日本側の基準を満たしている」としました。米軍側の表明に対し、横須賀市は踏み込んだ調査を求めなかったため、この消極的な姿勢に地元の人々は不満を募らせています。
在日米軍基地周辺ではこのほど、PFASが基準値を超えていることが相次いで明らかになっています。先月、在日米軍は横田基地からPFASを含む消火剤の流出があったことを認めました。この影響により、東京都では17の地域で基準値を超えるPFASが地下水から検出され、多摩地域では半数以上の住民の血液検査の結果が異常だったということです。
沖縄県がおこなった最新調査によりますと、沖縄にある米軍基地周辺の30カ所の水から基準値を超えるPFASが検出され、米軍基地が汚染源である可能性が高いことが判明しているということです。(RYU、野谷)