【CRI時評】仁愛礁事件の黒幕は誰なのか

2023-08-09 16:11:09  CRI

 中国海警局が8日に公開した動画には、中国海警船が先日、南沙諸島の仁愛礁近海に不法に侵入したフィリピンの船舶に対して警告放水する様子が映っている。中国海警船はフィリピンの船舶よりはるかに大型であるにもかかわらず、現場での処置はプロフェッショナルで、抑制の効いたものであることが誰の目にも分かるだろう。アナリストは、これは直接の阻止行動によって衝突が起こるのを避けるために取られた措置であり、国家の主権と海洋権益を守る中国の決意と能力を示すだけでなく、中国とフィリピンの大局的な関係を考慮して、一つの大国としての責任を体現したものだと考えている。 

 だが、このような正当かつ合法的な海上権益保護のための執法行動が、米国によって攻撃され中傷されている。米国務省、国防総省は声明を発表し、中国の行為は「国際法に違反」し、フィリピン側の「合法的な海洋活動」を支持するなどと言っている。一体どちらが国際法に違反しているのか。仁愛礁事件に関する一部始終は何なのか。事実は極めてはっきりしている。

 仁愛礁は中国の南沙諸島の一部分だ。1999年5月9日、フィリピン海軍の1隻の老朽化した戦車揚陸艦が仁愛礁に向かい、「船底から浸水したため、やむを得ず仁愛礁北西の浜辺に座礁する」と言明するとともに、交代で兵士を派遣して進駐し、「実効支配」をたくらんだのだ。その後、フィリピン側は何度もこの軍艦をえい航すると約束しながら一向に果たさず、それどころか軍艦に大規模な補修強化を施して、仁愛礁に対する恒久占領を実現した。フィリピンの行為が国際法に重大に違反し、中国とASEAN諸国が締結した「南海行動宣言(DOC)」に極めて反するものであることが分かる。 

 仁愛礁をめぐる中国とフィリピンの今回の紛争は、米国がフィリピンを取り込み、中国を封じ込めようとするいわゆる「インド太平洋戦略」推進の取り組みを加速させていることを背景として発生した。米国がフィリピンの政局の変化に乗じて、再びフィリピンの対米依存を強化し、フィリピンを挑発して中国と摩擦・対立を起こさせ、漁夫の利を占めようとしているのは明らかだ。

 さらに大きな背景としては、米国は既に南海問題を中国封じ込めのカードにしていることがある。米国にとっては南海が平穏無事であることは容認できず、その「黒い手」はかき乱す機会をうかがっている。

 フィリピンは、中国に対する約束を守り、誤った行為を直ちに正し、今回の事件の沈静化を推進し、中国との対話・協議を通じて海上問題を適切に処理することが賢明なアプローチであることを意識すべきだ。 

 南海は域外諸国の「狩猟の場」ではなく、いわんや大国のゲームの「格闘の場」ではない。中国とASEAN諸国は自律を保ち、「南海行動宣言」に関する協議を積極的に推進し、域外勢力の介入に断固反対し、南海問題解決の主導権とリーダーシップを地域諸国自身の手に委ねることが必要だ。(CRI論説員)

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