北京
PM2.577
23/19
中国科学院寧波素材技術・工程研究所はこのほど、弾性回復と強誘電性を兼ね備えた新型高分子強誘電性素材を開発したと発表しました。従来の強誘電性素材は、大きく変形させた場合に安定した性能を維持しにくいので着用には不向きでしたが、新たな素材はこの難題を効果的に解決しました。このことで、弾性強誘電性素材の利用分野の空白が埋められます。この成果は8月4日付で、国際的なトップレベルの学術誌の「サイエンス」で発表されました。
強誘電性素材とは絶縁性の機能素材であり、表面に電荷を帯びる記憶機能があります。外からの電界の作用の下で、素材中の電荷は改めて配列して、電界が作用しなくなっても、電荷の配列は維持されます。そのため、この素材はコンピューターのメモリー、高精度モーター、超鋭敏センサー、ソナーデバイスなどの電子製品に広く応用されており、日常的に使用する携帯電話やタブレットなどの電子機器にも欠かせない素材の一つです。しかし、強誘電性素材において強誘電性を発揮する結晶部分は弾性をほとんど備えていません。延伸率は一般的に5%未満で、反発能力もないために強誘電性と弾性を兼ね備えることは難しく、着用物に用いることには制約がありました。

弾性強誘電素材の折り曲げ前後の比較図
研究チームは「弾性強誘電性」という画期的な概念を打ち出しました。すなわち、素材の構造を正確に設計して制御することにより、強誘電性と弾性の良好なバランスを実現し、大きな頻度で変形されても良好な強誘電性を持つ弾性素材を作り出しました。この素材の延伸率は125%に達し、つまり本来の長さの2倍超に伸ばされた後でも強誘電性を維持することができ、外力が除かれれば速やかに原状回復します。そのために、素材の安定性と使用寿命が大幅に向上し、使用範囲も広がりました。
弾性強誘電体素材で作られたセンサーはより使いやすく、より高い精度と良好な着用快適性を持つので、スマート医療やスマートウェアラブルなどの分野により広範な可能性を生み出すだろうとされています。弾力性のある強誘電素材の登場により、柔らかく折り曲げられる携帯電話の誕生にも、一歩近づきました。(閣、鈴木)