ボリビア 対外貿易で人民元決済を利用

2023-08-02 11:10:22  CRI

 ボリビア政府はこのほど、輸出入貿易で人民元を利用し始めたと発表しました。これによりボリビアはアルゼンチンとブラジルに続き、人民元を頻繁に利用する南米の国となりました。

 ボリビアのモンテネグロ経済財政相は7月27日に開かれた記者会見で、今年5~7月、同国の対外貿易額の10%に当たる計2億7800万元(約55億5000万円)の金融取引がおこなわれたことを明らかにしました。モンテネグロ経済財政相は「われわれはすでに人民元を利用している。これは幸先の良いスタートだ。また人民元業務のさらなる展開に向けて、政府は中国系銀行の設立を計画している」と述べました。

△ボリビアのモンテネグロ経済財政相

 ボリビアは2月から深刻なドル不足に悩まされており、国民経済は大きな衝撃を受けました。ボリビアのアルセ大統領は7月、貿易における人民元の利用は、ボリビアが「ドル流動性危機」に直面した際に求めていた代替策だと述べました。

 2022年3月に現在も続く利上げサイクルに転じて以来、米連邦準備制度理事会(FRB)はすでに11回の利上げを実施しました。そのためドルは急激に値上がりして、多くの国に通貨の下落、資本流出、債務返済コストの上昇、深刻な輸入インフレをもたらすことになりました。アルゼンチン政府は今年初め、人民元を使って中国からの輸入品を購入する計画を発表し、減少しつつある外貨準備を維持すると共に、国際通貨基金(IMF)の債務を人民元で返済する可能性も示しました。また、ブラジルでは、2022年末時点で人民元はユーロを超え、ブラジル外貨準備の中で2番目に大きい通貨となりました。ブラジルの外貨準備高の5.37%が人民元であるのに対し、ユーロはわずか4.74%にとどまっています。(ZHL、野谷)

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