北京
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中国の復旦大学環境科学・工学部は26日、ネイチャー誌(オンライン版)で「Accelerating the energy transition towards photovoltaic and wind in China(中国における太陽光発電と風力発電へのエネルギー転換の加速)」と題した研究論文を発表し、初めてエネルギーシステムの統一的計画の観点から、中国が太陽光発電と風力発電の発展を加速させ、2060年までに炭素中立(カーボンニュートラル)目標を実現する最適経路を提案するとともに、中国の太陽光エネルギー・風力エネルギー資源のポテンシャルとコストを明らかにしました。
論文は、発電コストの大幅な削減、電力使用効率の向上、貧困脱却プロセスの加速、カーボンニュートラル目標の実現の可能性を明らかにし、中国のカーボンニュートラル目標下でのエネルギー転換に科学的な提案をしました。
これまでの研究では、高時間・空間分解能の地球デジタル知能情報システムが不足していたため、中国の太陽光発電と風力発電のポテンシャルと変化の傾向を正確に定量化できず、気候ガバナンスの総合評価においてエネルギー転換の最適経路を正確に推定できませんでした。復旦大学が率いる研究チームは、地球システムにおける長年にわたる太陽放射と風速の時空間データに基づき、中国の行政区画、土地類型、気候条件、地形、標高、陸上の自然保護区、海上の航路、海水の深さ、海洋自然保護区、超超高圧変電所の場所などの空間的・地理的情報を総合的に考慮し、高時間・空間分解能のデジタル地球知能ネットワークを構築し、中国が太陽光発電と風力発電の発展を加速させて化石燃料に取って代わる中長期の建設案を制定しました。
中国の太陽光エネルギー・風力エネルギー資源は主に、経済が相対的に後れを取っている西部地域に分布しています。地域を跨ぐ電力輸送が、電力使用効率を高めると同時に、西部地域に潜在的な経済的利益をもたらし、地域経済の発展を促すことになります。(Mou、柳川)