中国の「二次元姉貴」、雨の中で人命救助して「医者として当然のこと」

　中国ではこのほど、上海で開催された中国国際アニメーション・ゲーム博覧会（CCG EXPO 2023）に関連して、会場外でコスプレ姿の女性がひざまずいて倒れた男性を助けている動画が投稿され、「二次元コスプレイヤーが人を助けた」話題が中国の各SNSでトレンド入りしました。女性を「華佗ちゃん」「二次元天使」と絶賛する声が上がりましたが、女性は「医者としてやるべきことをしただけ」と説明しました。中国ではアニメや漫画の登場人物を「二次元」と表現することがよくあります。また、「華佗」とは、三国志演義などにも登場する歴史上の名医です。

△ネット投稿された雨中での人命救助の動画から

　投稿された動画には、その日のイベントが終了した後に、会場の外を歩いていた男性が失神して、うつむけに向けて倒れ込んだ様子が映っています。すると、コスプレ姿の女性が車を飛び降りて迷わずひざまずき、男性を救助しました。現場では雨が降っていましたが、きれいなスカートの裾が水にひたるのも、髪の毛が濡れるのにも構わず、男性に具合を尋ね、「頭を上げないで」「めまいするなら動かないで。医者はここにいます。私の手を握って。両手でギュッと握って、ギュッと」と深呼吸をするよう促し続けました。

　一連の応急手当の後、女性は救急車で華山西院病院まで男性に付き添いました。男性は意識が回復し、各指標はすべて正常になったとのことです。

△CCG EXPOで仕事中の「二次元姉貴」の張欣羽さん

　人命救助に当たった女性の名は張欣羽さんです。今回のCCG EXPOの展示ブースの司会を務めましたが、本業は蘇州大学医学院の大学院3年生です。張さんはプロのコスプレイヤーであると同時に、蘇州大学附属病院の火傷整形外科の医師でもあるとのことです。張さんは「展示会では大いに楽しんでほしい。しっかり食べて水をしっかり飲むことに注意してください。低血糖や熱中症の予防や持ち物の安全にも注意してください」とネットユーザーに呼びかけました。（ZHL、鈴木）