【CRI時評】マルビナス諸島問題について語ろうとしない英国

2023-07-23 13:05:26  CRI

 「長い歴史の中で、欧州連合(EU)がマルビナス諸島について言及したのは今回が初めてだった。」アルゼンチンのある政府関係者はこのほど、ブリュッセルで第3回EU―CELAC(ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体)首脳会議に出席した際、自国メディアにこう語った。同関係者が言ったのは会議の声明にマルビナス諸島の領有権問題が盛り込まれたことを指し、双方は国際法の尊重を踏まえ、対話を通じて平和的に紛争を解決することを認めた。

 EUとCELACの2つの地域組織が声明でマルビナス諸島の領有権問題に言及したのは今回が初めてだ。EUは、マルビナス諸島の領有権問題に関する CELACの歴史的立場に留意し、国連憲章の趣旨と原則に対する約束を再確認すると表明した。また、英語版の声明は、アルゼンチンが同島の呼称である「マルビナス諸島」をそのまま使用しており、英国が命名した「フォークランド諸島」がそれに続いている。声明の発表を受け、アルゼンチンは重要な「外交上の勝利」だと歓迎した。一方、英国は、声明の語彙の選択は「遺憾だ」と激怒した。

 西側先進国の集合体であるEUが今回、マルビナス諸島問題で態度を変えたことは、意外ではない。一方で、これは国際社会の国連決議に対する尊重と擁護、アルゼンチンのマルビナス諸島問題の交渉・解決の正当な要請に対する支持を体現しており、大勢の赴くところである。他方で、EUが態度を変えたのは、現実的側面も考えられる。今回の CELACとEUの首脳会議は8年ぶりに開催され、欧州側はこの会議を、双方の関係を立て直す機会だと形容した。

 英国がマルビナス諸島を占領して手放さないのは、主にそこに豊富な漁業と石油資源があり、大西洋から南極への門戸を守り、戦略的な価値があることに目をつけたからだ。近年、英国はマルビナス諸島の占領を強化しており、軍事演習は日常茶飯事となっている。だが、英国は1982年の短期間ではあるが激しい局地戦争によって、マルビナス諸島を永久に占領できると思っていたが、明らかに不可能だった。国連の「大陸棚限界委員会(CLCS)」は早くから、マルビナス諸島がアルゼンチン領海内にあると判定していた。6月20日、国連はマルビナス諸島問題を審議する公開会議を開いた。国連総会の非植民地化特別委員会は、英国がアルゼンチンと交渉を再開し、平和的な方法でマルビナス諸島領有権紛争を解決するよう求める決議を再び採択した。

 ますます強くなる国連決議や国際社会の声を前にして、英国は一刻も早く植民地化の妄想から目を覚まし、アルゼンチン側との対話・交渉を再開し、マルビナス諸島問題を早期に返還するのが望ましい。英国に不法占拠されてから190年後、マルビナス諸島は「帰宅」に一歩近づいた。(CRI論説員)

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