【CRI時評】米国にはキッシンジャー流の外交的知恵が必要

2023-07-23 13:21:44  CRI

 7月20日、北京は釣魚台国賓館5号棟に1人の特別な客を迎えた。

 この日、習近平国家主席はこの場所でキッシンジャー元米国務長官と会談した。52年前の7月、キッシンジャー氏は同じ場所でニクソン米大統領の国家安全保障担当補佐官と特使として、中国の古い世代の指導者と会い、中米関係正常化のプロセスをスタートさせた。

 米政界でキッシンジャー氏は、中国との対話・接触、意見の食い違いの適切な処理を主張する実務派勢力を代表している。この勢力は米国の利益を真に守るという現実に立脚して、理性的かつ建設的な対中政策を策定することができる。

 現在、中米関係は再び岐路に立たされている。米国の一部政治家は、中国の発展の道、政治制度、価値観が米国とは大きく異なるということをよく口にし、中国を敵視・抑圧する根拠としている。しかし問題は、彼らの言う違いは今になってはじめて見られるものではないということだ。冷戦のピークという歴史的背景のもとで、中米は「太平洋を越えた握手」を実現し、世界が沸き立った。それが実現した重要な理由は、中米の指導者はいずれも、中米が敵を味方に変えることは、互いの利益になるだけでなく、世界にも利益をもたらすことを認識していたということだ。

 52年後の今日、国際情勢が変わり、中米の力関係も変わったが、中米の協力は双方に利をもたらすが、争えば共に傷つくという論理は変わっていない、中米協力が世界の平和と安定に有益だという論理は変わっていない、中国の対米政策が強い連続性を維持していることにも変わりはない。これまでのバイデン大統領との電話会談や会見、今回のキッシンジャー氏との会見でも、習近平国家主席は、中米関係を着実に前進させるためには、相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンの3つの原則に従うことが肝要だと何度も指摘してきた。これは中米の過去の交流経験の総括であり、新しい時期の中米両国が正しく付き合う道でもある。

 キッシンジャー氏の今回の個人としての訪中と同時に、中米の公式レベルでの接触も目に見えて増えている。最近では米国務長官、財務長官、大統領気候問題特使など高官の訪中が相次いでいる。多くの分析によると、中米関係の改善は新たな「適応期」を迎えている。

 中国人はよく「故きを温ねて新しきを知る(温故知新)」と言う。中米関係の未来は、今日の選択にかかっており、歴史的経験に絶対に学ばなければならない。中米関係という問題をしっかり取り組む上で、米国にはキッシンジャー流の外交的な知恵が必要だ。(CRI論説員)

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