【CRI時評】米国はラオス国民に対して犯した罪をウクライナ危機で再現しようとしているのか

2023-07-14 17:59:54  CRI

 この夏、ラオスの学生たちが中国・ラオス鉄道の高速列車「瀾滄号」に乗車し、「鉄道で世界を見る」喜びを体験した際、中国・ラオス鉄道建設のために技術陣が沿線に残された米国のクラスター爆弾の処理だけのために2年以上の時間を費やしたとは想像もしなかっただろう。

 これらの爆弾は、ベトナム戦争中に米軍がラオスに投下したものだ。米国政府は先日、ウクライナに8億ドル相当の追加軍事援助を提供すると発表したが、その中には米国の法律で禁止されている殺傷能力の高いクラスター爆弾が含まれており、人々に改めてあの時代の歴史を思い起こさせた。

 ウクライナ危機の発生後、米国が西側の国々をたきつけるうえで最も重要な手段はウクライナに対して各種の武器弾薬を提供し続けることだ。だが、米国がウクライナにクラスター爆弾の提供を宣言して以降、西側陣営の内部は「てんやわんや」だ。英国のスナク首相は、英国は「クラスター爆弾禁止条約」の締約国であり、この武器の「使用を推奨しない」と述べた。スペイン、カナダなどの国々も反対を表明している。

 クラスター爆弾が物議を醸す理由は、その殺傷力が余りにも甚大だからだ。クラスター爆弾1発の中には10発から100発分の子爆弾が装塡(そうてん)されており、ひとたび投下されれば、子爆弾が飛び散り、覆い尽くす範囲は完全に制御不能だ。しかもよりにもよって、これら子爆弾の「不発率」が高すぎるのだ。

 だが、「不発」だからといって、二度と爆発しないわけではない。風に吹かれた「不発弾」が地面に落ちたり、農民が耕地を耕している際に触れたり、さらには道を歩いていて蹴飛ばしてしまっただけで、いずれも信管が作動して悲劇を招き、大きな被害を引き起こす可能性があるのだ。

 1964年から73年のベトナム戦争時、米国はベトナム南部、ラオス、カンボジア東部に大量のクラスター爆弾を投下した。中でも、ラオスはクラスター爆弾の被害を最も受けた国だ。

 米国国防総省のデータによると、ベトナム戦争中、米軍はラオスに対して58万回の爆撃を行い、クラスター爆弾を含む200万トンを超える爆弾を使用した。ラオスでは、推定8000万発の米軍のクラスター爆弾が不発のまま残っているとされている。戦争終結後、処理された不発弾は1%にも満たず、これまでに一般人約2万人が亡くなり、多数の一般人が負傷している。兵器弾薬の専門家は、ラオスの不発弾を完全に処理し終わるにはおそらく100年は必要だと述べている。

 クラスター爆弾の使用について、米国の態度は「パンケーキをひっくり返す」ようなものだ。米国政府は2008年に、今後米軍はクラスター爆弾を使用せず、すべてのクラスター爆弾を「封印」すると約束した。だが、今回ウクライナに送られる弾薬は、まさに40年以上前に生産され、15年前に「封印」されたクラスター爆弾だ。

 同様に矛盾しているのが、1年前、当時のホワイトハウスのサキ報道官が、仮にクラスター爆弾が使用されれば、戦争犯罪になり得ると語っていることだ。1年後、米国は自身が糾弾していた非難の対象になってしまった。米国の利己的な利益の前では、道義や体面はいったいどれだけの価値があるのか、試みに尋ねてみたいものだ。(CRI論説員)

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