【CRI時評】アジア太平洋をかき乱して「延命」を図る?はNATOの誤算

2023-07-12 18:31:27  CRI

 北大西洋条約機構(NATO)サミットが現地時間の11日から、リトアニアで開催された。中心テーマであるウクライナ情勢以外に、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド4カ国の首脳が2年続けて参加し、NATOのアジア太平洋化の議題が再びヒートアップした。日本メディアの報道によれば、元々協議が予定されていたNATOのアジア初の事務所を日本に開設するという案はフランスの反対によって秋以降に先送りされたとのことだ。

 NATOは冷戦時代の産物として、その誕生から米国が覇権を維持するための中心的支柱であり、「敵なしでは生き残るのは難しい」のがその運営ロジックだ。冷戦の終結以来、NATOは6度にわたる東方拡大を行い、ロシアとウクライナの紛争を引き起こし、欧州の安全保障に亀裂を生じさせるとともに、アジア太平洋に絶えず触手を伸ばしてきた。

 NATOは「価値観の同名」を自負している。冷戦後、NATOは他国の政治や価値体系を西側の価値観に基づいて形成することを強い、1990年代のユーゴスラビアの解体、ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦、コソボ問題などを引き起こしてきた。中東では、米国を中心とするNATO連合軍がアフガニスタンやイラクに侵攻し、リビアを空爆して現地の人々に重大な災禍をもたらした。もしNATOがアジア太平洋に介入し、アジア太平洋の国々の内部統治や価値観を「西欧化」しようとすれば、幅広い抵抗を引き起こし、危機と動揺をもたらすことになるのは必至だ。

 NATOのアジア太平洋化の過程で、日本はオオカミを家に引き入れる役割を果たした。その背後にある理由は日本が米国の筋金入りの信奉者であるというだけでなく、日本が再び軍事大国の道を歩もうという野望を持ち、防衛面でNATOの力を借りようと考えていることだ。NATOが東京にアジア初の連絡事務所を設置するという計画は、アジア太平洋作戦協調センターを日本に置きたいという考えを意味しており、地域の民衆の強い反発を招いている。

 最近、日本と韓国の多くの民衆が集会を開き、NATOが軍事的緊張を引き起こすことに抗議し、NATOのアジア太平洋化に反対した。オーストラリアのポール・キーティング元首相は声明を発表し、NATOがアジアに「挑発的な東進」「互いに争うという毒薬をアジアに輸出しようとしている」と批判した。タイの正大管理学院中国・ASEAN研究センターの湯之敏主任は、ASEAN諸国はNATOがアジアに介入してくることに対して、一貫して警戒し、懸念していると指摘している。実のところ、NATO内部にも、勢力範囲を広げようとするやり方に反対する声はかなりある。例えば、フランスのマクロン大統領は以前、NATOは既に「脳死」状態だと発言し、日本への連絡事務所設置に明確に反対した。

 アジア太平洋は協力・発展の高地であり、大国が腕比べをするチェス盤ではない。米国主導のNATOがアジア太平洋をかき乱すことで「延命」しようと考えても、全世界の平和を愛する人々は同意しない。まさにカナダの反戦組織・ハミルトン休戦同盟のケン・ストーン代表が言うように、NATOは米国が主導する侵略的な軍事組織であり、NATO自身の憲章によれば、とうの昔にその存在意義を失っているのである。(CRI論説員)

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