【CRI時評】中国との「互恵・ウィンウィン」、実現鍵を握るのは米国の行動

2023-07-10 14:25:32  CRI

 米国のイエレン財務長官は9日、4日間の訪中を終えた。中米双方はいずれも、数日間にわたる会見や会談で、意思疎通と協力の強化を表明した。中国側は、国家安全保障の普遍化は正常な経済貿易の往来に不利益だと強調した。イエレン長官は、米国は中国経済の「切り離し」を求めていないと改めて表明し、米中経済の「互恵とウィンウィン」を求めると約束した。

 イエレン長官の訪中で、米国からの高官訪中は1カ月内で2人目を数えた。双方が発したメッセージから、中国側は今回の会談が「建設的だった」と認識した。イエレン長官も訪中を終えた時点で、中国側との数日間の会合は「直接的かつ生産的」だったと述べた。中米関係が国交樹立以来の最悪の状態に陥っている現在、双方のこうした態度表明は、中米関係の緩和に役立ち、国際社会の期待にも合致している。このことにより、国際社会の懸念はある程度緩和された。海外メディアからは、「前向きな一歩だった」との見方も出ている。

 現在の中米関係が苦境に陥っているのは、根本的には米国側の対中認識に誤りがあり、「互恵とウィンウィンが中米経済関係の本質である」ことを真に認識しておらず、「協力強化が中米双方の現実的な必要に基づく正しい選択である」ことに気づいていないからだ。

 実際には、米国側が対中貿易戦争が自らに与えるダメージを分かっていないわけではない。ムーディーズの調べによると、米対中貿易戦争における関税コストの90%以上は米国側が負担している。米国の政治専門紙「ザ・ヒル」も、米国の対中貿易戦争は全面敗北と認める記事を掲載した。

 もう一つの根本的な問題は、中米の経済貿易協力は、中米関係の大きな環境から切り離せないことだ。イエレン財務長官の訪中に先立ち、米財務省は「米中関係を責任を持って管理する」とする声明を発表した。イエレン長官の対中姿勢はバイデン政権の高官の中にあって、比較的理性的だ。イエレン長官は米連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めたこともあり、中米関係の改善を推進する役割を果たせる専門的な素養も備えている。

 世界銀行が発表した最新の「世界経済見通し」は、2022年には3.1%だった世界の経済成長が、2023年には2.1%に鈍化すると予想した。中米両国の経済規模は全世界の3分の1以上であり、世界の経済成長への貢献率は50%を超える。両国の経済貿易協力の強化が世界経済にとっての重要であることは実に明らかだ。今年に入り、多くの米国企業の幹部が次々に中国を訪れ、「中国切り離し」に明確に反対し、対中協力の強化を訴えている。このような発言は米国の実業界を代表するものだ。

 肝心なのは「行動は言葉に勝る」という言葉だ。人々は、米国側がイエレン長官の帰国後に実際の行動をもって中国側と共に中米関係の「安定化と良好化」を推し進めることで、中米の経済貿易協力に一日も早く「虹」が見られるようになることを期待している。(CRI論説員)

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