北京
PM2.577
23/19
米国、日本、フィリピンの安全保障問題担当政府高官が16日、東京で初会談を行った。3カ国は東海と南海に関する安全保障戦略を定期的に協議し、2023年中に戦略文書を策定し、南海での合同軍事演習を常態化する意向だ。
米国、日本、フィリピンの3者会談に加え、日本とフィリピンは臨時会合を開いた。ロイター通信によると、出席した日本の当局者は、「フィリピンは第1列島線上のぜい弱な部分であり、中国船がここから西太平洋に進出することを東京は懸念している」ということを理由に、フィリピンにレーダーなどの軍事援助を提供し、バシー海峡の溝を埋めることを決定した。
フィリピンの地理的位置は非常に特殊で、最北部のルソン島は台湾島とバシー海峡を1本隔てているだけで、西部のパラワン島は南海に伸び、中国の南沙諸島に面している。米国シンクタンクの報告書は、日本の南西列島線よりも、フィリピンに点在する諸島の方が米軍の「分散型戦略」に適していると指摘している。そのため、フィリピンを日米の「戦車」に縛り付けることは、第1列島線の南西部の溝を埋めるだけでなく、南海で中国に対する牽制態勢を形成することにもつながる。
日本は南海問題の当事国ではなく、最近の動きは極めて異常だ。近年、日本政府は表向きはいわゆる「正常な国」を追求しながらも、実際には日本を一歩一歩「異常化」に追い込んでいる。
今年2月にはフィリピンのマルコス大統領が来日し、岸田文雄首相と会談した。この間、岸田首相はマルコス大統領に対し、開発援助と民間投資の43億ドルを約束した。今年3月の米国とフィリピンの合同演習には、日本も初めてオブザーバーとして参加した。最近では日米比が、南海付近の海域で初めて合同演習も実施した。仮にフィリピンが日本の軍事支援を受け入れ、日本と『円滑化協定』(Reciprocal Access Agreement: RAA)を締結すれば、日本の防衛力は第2次世界大戦以降初めてフィリピンに進出する権利を得ることになる。中国にとって、日本の自衛隊がフィリピンで米軍のような基地使用権を得ることは、マルコス政権の言う「防衛と自衛」の範囲を明らかに超えている。日本としては、海外派兵に向けて一歩前進したことになる。
より顕著な傾向は、今の日本政府が米国との関係に自国の安全保障を委ねることに満足せず、日本政府の国家安全保障戦略や軍事戦略が多国間化していることだ。日米同盟に加えて、日本政府はさらに北大西洋条約機構(NATO)モデルに倣い、二国間や多国間の対話を通じて「戦友関係」を築き、欧米と連携して中国への「包囲」を形成しようとしている。
平和主義憲法を持つ国としての日本の現在の行動は、もはや平和国家の行いとは思えない。中国外交部報道官が指摘したように、国家間の防衛安全保障協力は地域の平和と安定の維持に役立つべきであり、緊張を高めてはならず、地域国家間の相互信頼を破壊してはならず、更にいかなる第三者も対象にしてはならない。(CMG日本語部論説員)