北京
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人助けのために橋から飛び降りた出前配達員の彭清林さん
中国東部沿海地区の浙江省杭州市で13日、仕事中だった出前配達員の彭清林さん(31)が、高さ10数メートル以上もの銭塘江西興大橋から飛び降りて、自殺を図った女性を救いました。ここ連日、彭さんの義挙が報道され、多くの人々が感動しました。彭さんは「杭州好人」「見義勇為積極分子(義を見て勇敢に行動する人)」「張家界好人」などの栄誉称号を授与されたほか、社会各界から褒賞が贈られることになりました。うち彭さんの故郷である湖南省桑植県は賞金10万元(約200万円)とマンション1室を贈ることにしました。
彭さんはさまざまな褒賞を贈られることで落ち着けなくなってしまいました。「私はただの普通の人で、人助けのために橋から飛び降りたことが、これほどの奨励や感謝に値するか分からない」と言い、「皆さまからの善意に心から感謝している。私にはたいした学歴がないが、自分と家族を養う能力がある。金銭面の援助は要らない。個人や企業からの賞金は一切不要だ」と繰り返して強調し、「皆さまのお金は本当に必要とする人に贈ってください」と呼びかけました。
これに対してネットユーザーたちは「自らの命を顧みずに人を救う義挙は、社会の光である。マンションも賞金も受け取ってください」と彭さんに呼びかけるようになりました。
ところが、彭さんはある褒賞には喜びました。彭さんの勤務先の会社が彭さんに、無料で大学に進学できる資格を申し込んで許可されました。彭さんは最初、「自分はもう30歳を過ぎたから、大学に行くのは無理だ」と思ったのですが、オンラインコースで授業を受けると知り、「仕事と学業が両立できるから嬉しい」と思って喜んで受け入れました。
また、彭さんに救われた女性も彭さんへの感謝を伝えました。29歳の彼女は広東省から杭州へ来たばかりで、生活のストレスで、自らの命を絶とうとの思いから抜け出せなくなって軽率な行為をしましたが、「彭さんのおかげで一命を取り留めた。幸いなことに、彭さんが無事で何より。このご恩は一生忘れない」と言いました。ネットユーザーたちもこの女性に「毎日を大切にしてください」「生活への自信や勇気を取り戻してください」と励ましの言葉を送りました。(Lin、鈴木)