東京都多摩地域 住民のPFAS血液検査が基準超え 米軍基地が関係か

2023-06-14 13:11:04  CRI

 東京都多摩地域で一部住民を対象にした血液検査で、血液中の有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」の濃度が基準値を超えたことが話題となりました。最大の汚染源は米軍横田基地だと疑う声が出ています。多摩地域の住民に対する血液検査を行った市民団体が東京都立川市内で開いた記者会見で最新の調査結果を発表して、汚染源を徹底的に調べるよう政府に訴えました。

 同市民団体が東京都多摩地域に住んでいる住民650人を対象に血液検査をしたところ、ほとんどの人の血液からPFASが検出され、うち335人の血中濃度は基準値を超えていたとのことです。これらの住民の飲用した水道水には、PFASが混入していたとみられています。

 最大の汚染源と疑われているのは多摩地域にある米軍横田基地です。これまでの報道では、横田基地では2010年から2017年にかけて、PFASを含む消火剤が土壌に大量に漏出させる事故が発生したとのことです。また、多摩地域の30カ所以上の井戸の水から検出されたPFAS濃度はいずれも基準値を超えていました。多くの住民が政府に対して、米軍基地への立ち入り検査でPFASの汚染源を徹底的に調査することを望んでいます。

 血液検査と関連分野の研究をしている京都大学医学研究科環境衛生学の原田浩二准教授は、PFASの主たる汚染源が米軍横田基地とする説には信じるに足りる理由があると表明し、現地住民が汚染された水を大量に飲用すれば、大きな健康リスクにさらされると説明しました。PFASには発がん性もあるとのことです。

 PFASはかつて、消火剤や塗料などの工業製品に幅広く使われました。自然界では分解されないため、自然環境と人体に蓄積されると、健康に大きな危害を与える物質です。(Lin、鈴木)

   

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